2015年01月22日更新 デング熱の流行状況について

デング熱は、蚊によってうつる感染症で、熱帯・亜熱帯地方にみられます。発熱や関節痛、発疹などがみられます。

1月13日付けで公表された世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務所(WPRO)の情報によるデング熱の流行状況です。

東アジア、東アジア周辺および南半球地域の流行状況

注意:本サイトの情報はWPROが発行する情報を基に再編集しています。更新日、各国の情報の形式が異なるため解釈を加えることはできません。さらなる情報は原文を参照してください。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。

中国

2014年12月9日から15日にかけて、広東省では新規の検査確認及び臨床診断されたデング熱感染例が44例報告されました。これは、前週の76例に比べて42.1%の減少です。12月15日現在、この地方では20都市から検査確認及び臨床診断されたデング熱感染が45,171例報告されています。地域の内訳は以下のとおりです: 広州(37,354例)、佛山(3,542例)、中山(679例)、江門(595例)、珠海(505例)、深圳(450例)、肇慶(297例)、清遠(294例)、東莞(287例)、陽江(277例)、湛江(246例)、汕頭(230例)、潮州(135例)、茂名(96例)、掲陽(85例)、恵州(37例)、河源(27例)、韶関(15例)、雲浮市(12例)、汕尾(8例)。このうち死亡は6例です(広州5例、佛山1例)。現在も55例が入院中で、18,949例が回復し退院しています。この流行はほぼ終わりに近づいており、12月末までに終息することが予想されます。

マレーシア

[診断:108,698例、死亡:215例、2014/12/31 更新]
2014年12月31日現在、依然として、マレーシアでのデング熱の患者数は2013年の同時期を上回っています。これは、2013年と比較して151%の増加に当たります。

フィリピン

[診断:104,741例、死亡:399例、2014/12/6 更新]
2014年12月6日現在、全患者数は例年どおりの季節変動を示しています。33週より始まった減少傾向は続いています。発生数は昨年比で47.2 %と低くなっています。

シンガポール

[診断:18,318例、死亡:4例、2015/1/3更新、但し、死亡数の更新日なし]
デング熱の全報告患者数は典型的な季節変動を示しています。38週から47週まで、患者数は徐々に減少傾向を示していました。しかし、48週以降患者数には上下動がみられ僅かに増加しています。

カンボジア

[診断:3,543例、死亡:21例、2014/11/20更新(前回から更新なし)]
12月2日現在、週当たりに報告されている新規の患者数は比較的安定した状況です。2012年のデータは除外されていますが、2008年以降では、発生数は極めて少ない状態が続いています。

ラオス

[診断:1,716例、死亡:0例]
2015年1週(2014/12/27~2015/1/2)の報告総数は2例でした。

ベトナム

[診断:17,766例、死亡:17例、(前回から更新なし)]
9月には3,215人の感染者が報告され、1人が死亡しました。2013年の同時期(患者46,408例及び死亡30例)と比較して診断例で61.7 %、死亡例で43.3 %減少しています。

オーストラリア

[診断:1,514例、死亡:no data、12/15 更新]
2014年9月の時点で毎月の報告患者数は1月以降、減少傾向を続けています。しかし、10月以降は患者数には上下動がみられ僅かに増加しています。

フランス領ポリネシア

週当たりの報告患者数は減少しており、2014年52週の確認患者数は14例、2015年1週は1例でした。オーストラル諸島ライババエ島では、PCRで3例がデングウイルス1型、1例でデングウイルス3型が検出されました。現在のところ、2014年12月に報告された入院患者数は10例で3例が重症でした。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

  • 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
  • また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
  • 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。
  • FORTH感染症情報 :デング熱

出典

WHO/WPRO:Dengue Situation Update Number456, 13 January 2015
Update on the dengue situation in the Western Pacific Region,
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/denguebiweekly_13jan2015.pdf?ua=1[PDF形式:1.2MB]