世界保健機関（WHO）西太平洋地域事務所（WPRO）から2015年3月10日付けで公表されたデング熱の流行状況の報告です。

　註：本サイトの情報は、更新日、各国の情報の形式が異なるため解釈を加えることはできません。原文には、過去数年間と比較した週別のグラフが掲載されています。さらなる情報は原文を参照してください。

[前回からのデータの更新はありません]
　中国で2014年に報告されたデング熱の累計患者数は47,331人でした。これは、2013年と2012年の患者数と比べて、それぞれ10倍及び80倍の患者数となっています。これは2014年末の広東省でのデング熱流行によるものです。2015年1月に、19人のデング熱患者が報告されています。この患者数は先月の1/10、2013年や2012年の同時期とも同程度です。

［診断：23,966人、死亡：62人、2015/2/28更新］
　2015年2月28日現在、マレーシアでのデング熱患者数は前年の同時期を46%上回っています。

［診断：3,575人、死亡：9人、2015/1/24更新］
　2015年1月24日現在、フィリピンで報告された患者数は過去3週間にわたって減少しており、2015年に報告された累積患者数は2014年の同時期よりも40%少なくなっています。

［診断：1,635人、死亡：no data、2015年第8週まで］
　2015年2月22日から2月28日までの1週間に、患者172人が報告されました。これは2014年の同時期に比べて11%少なくなっています。患者数は前週と比べて増加しています。

［診断：107人、死亡：1人、2015年第6週まで］
　2015年の第6週までに報告されている新規の患者数は比較的安定した状況で、季節変動パターンに沿っています。

［診断：79人、死亡：0人、2015年第9週まで］
　2015年第9週に報告された患者数は10人でした。

［診断：5,263人、死亡：0人、2015年3月3日］
　2015年3月3日までに、死亡者は出ていないものの、患者5,263人が報告されました。2013年および2014年と比べてベトナムでのデング熱患者数は2月に増加しており、2012年のパターンに近くなっています。

［診断：478人、死亡：no data、2015年2月末まで］
　オーストラリアでは、2015年2月にデング熱患者223人が報告されました。前年と同じく、オーストラリアで報告されたデング熱患者数は1月以降減少しています。

　2015年第7週の報告では確定患者10人が報告されました。ひとりの患者でPCRによるデング熱1型ウイルスの陽性反応がでました。これまでのところ、2月には重症患者1人を含む入院患者3人が報告されています。

• 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
• 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
• 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
• 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

• 海外で発熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。
• また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が改善しない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご相談ください。
• 医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

デング熱

WHO/WPRO.Update on the dengue situation in the Western Pacific Region.
Dengue Situation Update Number460, 10 March 2015
http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/dengue_biweekly_20150310.pdf?ua=1［PDF形式：860KB］