2016年03月10日更新 アメリカ大陸のコレラ発生状況

2016年3月9日付で汎米保健機関(PAHO)より、アメリカ大陸でのコレラ発生状況に関する情報が発表されました。

アメリカ大陸でのコレラ発生状況

2015年にアメリカ大陸3か国(キューバ、ハイチ、ドミニカ共和国)で36,654人のコレラ患者が記録されました。内訳は、キューバで65人、ハイチで36,045人、ドミニカ共和国で544人です。アメリカ大陸の総患者数の98%がハイチだけで報告されました。

キューバでは、2016年第7週現在、新たな患者の報告はありません。

ドミニカ共和国では、2016年第7週現在、68人のコレラ疑似患者が報告されました。死亡者はいません。

ハイチでは、2016年第7週現在、7,040人のコレラ疑似患者が報告されました。このうち88人が死亡しています。また、2016年の最初の4週間に登録された患者数は、2014年と2015年の同じ期間に登録された患者数を超えものの、その後は低下傾向となり、2015年に観察された患者数よりも少なくなっています。

コレラは、コレラ菌によって、下痢や嘔吐が生じる病気です。症状が軽いこともありますが、重い下痢症状が起こると、大量の水分が失われ、脱水から死亡することがあります。

これらの流行地へ渡航、滞在される方は、今後の情報に注意していただくとともに、以下の対策を行ってください。

  • 飲料水や歯みがき、うがいの水にはミネラルウォーターを使うか、十分に沸騰させた水を使うこと。氷は生水から作られている可能性があるので食べないこと。
  • 食事は加熱されたものを、冷めないうちに食べること。
  • 食事の前、トイレの後には石けんと水で十分に手洗いすること。
  • 下痢になった場合、以下の作り方で作った水を十分にとり、できるだけ早く医療機関で診療を受けること。

図.吸収のよい水の作り方

感染症情報

出典

PAHO. Epidemiological Update. Cholera. 9 March 2016
Cholera in the Americas - Situation summary
http://www.paho.org/hq/index.php?option=com_docman&task=doc_view&gid=33570+&Itemid=999999&lang=en[PDF形式:155KB]