複数国における小児の原因不明の重症急性肝炎
Disease outbreak news 2022年6月24日
発生状況一覧
2022年6月22日現在、WHOの5つの地域の33カ国から、WHOの症例定義を満たす920の小児の原因不明の重症急性肝炎の推定例が報告されています。2022年5月27日に発表された前回のDisease Outbreak News以降、新たに4カ国を含む270の推定例がWHOに報告されています。今回のDisease Outbreak Newsでは、アウトブレイクの疫学に関する最新情報、臨床検査に関する新しい暫定ガイダンスの発表、WHO Global Clinical Platformでの臨床例報告フォームの立ち上げについてお知らせします。WHOの5つの地域にわたって、小児で原因不明の重症急性肝炎が検出されたことは異例であり、一部の症例の重篤な臨床的影響については詳細な調査が必要です。
発生の概要
今回のアウトブレイクは、2022年4月5日にグレートブリテンおよび北アイルランド連合王国(以下、「英国」という。)が、スコットランドの中央ベルト地帯で、それまで健康だった10歳未満の幼児に原因不明の重症急性肝炎が10例発生したとWHOに通知したことにより、最初に感知されました。
2022年6月22日現在、WHOの5つの地域の33カ国から920の推定例が報告されています(図1)。これらには、2021年10月1日以降の新規および遡及的に確認された症例が含まれており、以下に示すWHOの症例定義に適合しています。さらに4カ国から報告された症例は分類待ちであり、累積推定例数には含まれていません。推定例のうち、45人(5%)の子どもが移植を必要とし、18人(2%)の死亡がWHOに報告されています。
報告された推定例の半数はWHOヨーロッパ地域から報告されており(20カ国から460例の報告)、そのうちの267例(世界の症例の29%)は英国から報告されています(表1、図2)。次に多いのはアメリカ地域(n=383、うちアメリカ合衆国から305例)、次いで西太平洋地域(n=61)、東南アジア地域(n=14)、東地中海地域(n=2)の順で推定例が報告されています。17カ国が5例以上の推定例を報告しています。実際の症例数は、強化されたサーベイランス制度が限定的であることもあり、過小評価されている可能性があります。より多くの情報や検証されたデータが入手可能になるにつれて、症例数は変化することが予想されます。

図1. 2022年6月22日時点の小児の原因不明の重症急性肝炎の推定例の国別分布(n=920)
表1. 2021年10月1日以降に報告された原因不明の重症急性肝炎の推定例のWHO地域別分布(2022年6月22日現在)
*この表に含まれる情報は、欧州監視システム(TESSY)および公衆衛生情報プロセス内の症例ベースの監視活動を通じて検出された公式情報源を含む、国際保健規則(IHR2005)の下で通知されたデータを含んでいます。詳細な情報は付属の表に記載されています。
■あらゆる検体型(呼吸器、尿、便、全血、血清、その他、検体型不明)でアデノウイルス陽性のもの
2022年6月22日現在、WHOの5つの地域の33カ国から920の推定例が報告されています(図1)。これらには、2021年10月1日以降の新規および遡及的に確認された症例が含まれており、以下に示すWHOの症例定義に適合しています。さらに4カ国から報告された症例は分類待ちであり、累積推定例数には含まれていません。推定例のうち、45人(5%)の子どもが移植を必要とし、18人(2%)の死亡がWHOに報告されています。
報告された推定例の半数はWHOヨーロッパ地域から報告されており(20カ国から460例の報告)、そのうちの267例(世界の症例の29%)は英国から報告されています(表1、図2)。次に多いのはアメリカ地域(n=383、うちアメリカ合衆国から305例)、次いで西太平洋地域(n=61)、東南アジア地域(n=14)、東地中海地域(n=2)の順で推定例が報告されています。17カ国が5例以上の推定例を報告しています。実際の症例数は、強化されたサーベイランス制度が限定的であることもあり、過小評価されている可能性があります。より多くの情報や検証されたデータが入手可能になるにつれて、症例数は変化することが予想されます。

図1. 2022年6月22日時点の小児の原因不明の重症急性肝炎の推定例の国別分布(n=920)
表1. 2021年10月1日以降に報告された原因不明の重症急性肝炎の推定例のWHO地域別分布(2022年6月22日現在)
WHO 地域 |
推定例 | 肝移植が必要となった症例 | PCRによる新型コロナウイルス陽性判定 (陽性数) |
PCRによるアデノウイルス陽性判定■ (陽性数) |
アデノウイルス41型 (陽性症例数) |
死亡例 |
アメリカ地域 | 383 | 23 | 11 | 118 | 14 | 12 |
東地中海地域 | 2 | 0 | データなし | 1 | データなし | 1 |
ヨーロッパ地域 | 460 | 22 | 47 | 203 | 30 | 1 |
東南アジア地域 | 14 | 0 | データなし | データなし | データなし | 4 |
西太平洋地域 | 61 | 0 | 6 | 5 | 0 | 0 |
累計* | 920 | 45 | 64 | 327 | 44 | 18 |
*この表に含まれる情報は、欧州監視システム(TESSY)および公衆衛生情報プロセス内の症例ベースの監視活動を通じて検出された公式情報源を含む、国際保健規則(IHR2005)の下で通知されたデータを含んでいます。詳細な情報は付属の表に記載されています。
■あらゆる検体型(呼吸器、尿、便、全血、血清、その他、検体型不明)でアデノウイルス陽性のもの
症例の臨床検査
推定例のワーキングケース定義(下記Box 1)に基づき、臨床検査ではこれらの小児におけるA-E型肝炎ウイルスは除外されています。WHOに報告されたデータは不完全で、多くの症例で他の病原体が検出されました。
アデノウイルスは、データがある症例では引き続き最も多く検出される病原体です。ヨーロッパ地域では、アデノウイルスはデータがある症例の55%(371例中203例)でPCRにより検出されました(付表を参照)。米国からの予備報告によると、アデノウイルスは、結果が入手可能な症例の45%(252例中113例)で検出されたとのことです。
新型コロナウイルスは多くの症例で検出されていますが、血清検査の結果に関するデータは限られています。ヨーロッパ地域では、新型コロナウイルスは、結果が利用可能な症例の15%(307例中47例)でPCRにより検出されました(付表を参照)。米国からの予備報告によると、新型コロナウイルスは、結果が入手可能な症例の10%(83例中8例)で検出されたとのことです。
詳細は、EURO/ECDC合同サーベイランスレポート(EURO/ECDC Joint surveillance report)、USCDCテクニカルレポート(USCDC Technical Report, UKHSA Case Update)、UKHSAケースアップデート、UKHSA第3回テクニカルブリーフィング(UKHSA Third Technical Briefing)をご参照ください。
報告された症例のほとんどは、疫学的な関連性はないと思われますが、スコットランド、オランダでは疫学的な関連性のある症例が報告されています。

Box1. WHO 原因不明の急性肝炎のワーキングケース定義
アデノウイルスは、データがある症例では引き続き最も多く検出される病原体です。ヨーロッパ地域では、アデノウイルスはデータがある症例の55%(371例中203例)でPCRにより検出されました(付表を参照)。米国からの予備報告によると、アデノウイルスは、結果が入手可能な症例の45%(252例中113例)で検出されたとのことです。
新型コロナウイルスは多くの症例で検出されていますが、血清検査の結果に関するデータは限られています。ヨーロッパ地域では、新型コロナウイルスは、結果が利用可能な症例の15%(307例中47例)でPCRにより検出されました(付表を参照)。米国からの予備報告によると、新型コロナウイルスは、結果が入手可能な症例の10%(83例中8例)で検出されたとのことです。
詳細は、EURO/ECDC合同サーベイランスレポート(EURO/ECDC Joint surveillance report)、USCDCテクニカルレポート(USCDC Technical Report, UKHSA Case Update)、UKHSAケースアップデート、UKHSA第3回テクニカルブリーフィング(UKHSA Third Technical Briefing)をご参照ください。
報告された症例のほとんどは、疫学的な関連性はないと思われますが、スコットランド、オランダでは疫学的な関連性のある症例が報告されています。

Box1. WHO 原因不明の急性肝炎のワーキングケース定義
症例の疫学的特徴

図2. 2022年6月22日現在、WHO地域別、週次の、入手可能なデータによる原因不明の重症急性肝炎の推定例の流行曲線
注:この図には、症状の発生日、入院日、届出日がWHOに報告された症例のみが含まれています(n=476)。入手可能な場合は、症状発現日を使用し(n=289)、入手できない場合は、入院した週(n=163)、または通知を受けた週(n=24)が使用されました。
2022年6月22日現在、性別と年齢の情報がある422例のうち、48%が男性(n=202)、6歳以下が大半(78%、n=327)でした(図3)。

図3. データが入手可能な原因不明の重症急性肝炎の推定例報告者の年齢・性別分布(n=422)
臨床データが入手可能な100例の推定例のうち、最も多く報告された症状は、吐き気または嘔吐(54%)、黄疸(49%)、全身衰弱(45%)、腹痛(45%)でした。
全世界の症例のうち、データが入手可能な症例は、発症日と入院日の両方が判明した141症例でした。このうち、発症から入院までの日数の中央値は4日(四分位範囲(IQR)7)でした。
公衆衛生上の取り組み
症例の考えられる病因(または複数の病因)についての疫学的、臨床的、検査的、病理組織学的、毒物学的調査が、いくつかの国家機関、研究ネットワーク、WHOの異なるワーキンググループを越えて、パートナーと共に進行中です。これには、共通の暴露歴や危険因子、症例間の関連性を特定するための詳細な疫学的調査が含まれます。また、検出された症例数が予想される想定値を超えている場所を確認するための追加調査も計画されています。
WHOによるリスク評価
世界レベルでのリスクは、以下の要因を考慮し、現在、中程度と評価されています。
・この重症急性肝炎の病因はまだ不明であり、調査中であること。
・現在WHOが入手できる疫学的、検査的、病理組織学的、臨床的情報が限られていること。
・実際の症例数や地理的分布は、限定的な強化されたサーベイランス方法のため、過小評価されている可能性があること。
・病因となる病原体の感染様式が確定してないこと。
・医療関連感染の報告はありませんが、疫学的に関連した症例が数例報告されており、ヒトからヒトへの感染の可能性は否定できないこと。
・この重症急性肝炎の病因はまだ不明であり、調査中であること。
・現在WHOが入手できる疫学的、検査的、病理組織学的、臨床的情報が限られていること。
・実際の症例数や地理的分布は、限定的な強化されたサーベイランス方法のため、過小評価されている可能性があること。
・病因となる病原体の感染様式が確定してないこと。
・医療関連感染の報告はありませんが、疫学的に関連した症例が数例報告されており、ヒトからヒトへの感染の可能性は否定できないこと。
WHOからのアドバイス
臨床検査
WHOは、小児における原因不明の重症急性肝炎の疑い例に対する検査の検討と戦略について、加盟国向けの暫定ガイダンスを作成しました。このガイダンスには、加盟国による診断の優先順位付けを支援するためのアドバイスが含まれており、風土病の地域的な考慮のために修正することが可能です。このガイダンスでは、小児の重症急性肝炎を引き起こすことが知られている、他の感染性因子、環境暴露(毒素、薬剤)、遺伝性代謝性疾患、自己免疫疾患を含む他の病因の評価も考慮しており、小児肝臓専門医と協議して検討する必要があります。
必要に応じて後日検査し、病因を特定するために、症状発現後できるだけ早い時期から様々な検体をルーチンとして採取することを優先させなければなりません。検査施設の検査許容量が限られている場合、検査診断のために地域または世界の検査施設の紹介利用と検体保管を検討すべきです。陽性検体は、さらなる検査や調査のために保管されるべきです。
臨床検査で加盟国をさらに支援するために、WHOは地域および世界の紹介検査施設のネットワークを構築しています。
詳細については、「小児における原因不明の重症急性肝炎の検査室検査に関する暫定ガイダンス」( Interim guidance on Laboratory testing for severe acute hepatitis of unknown aetiology in children )をご参照ください。
症例報告
WHOは加盟国に対し、WHOの症例定義に合致する小児の原因不明の重症急性肝炎の症例を、確立されたIHRメカニズムを通じて報告することを強く推奨しています。 詳細については、「小児における原因不明の重症急性肝炎の症例報告のための最小限の要因の提案」(Suggested minimum variables for reporting cases of severe acute hepatitis of unknown aetiology in children)をご参照ください。
WHOグローバルクリニカルプラットフォームを通じた臨床データの報告
WHOは、匿名化された症例ベースのデータの報告を容易にするため、臨床症例報告書(以下、「CRF」という)(clinical Case Report Form (CRF))を開発しました。標準化されたグローバルな臨床データの分析は、病因、疾患の臨床的特徴、自然史、重症度の理解に貢献し、公衆衛生への対応、調査や感染予防・管理介入へのアプローチを含む臨床管理ガイダンスの開発の指針となることを目的としています。 WHOは、WHOの症例定義に合致するすべての症例について、たとえCRFが完全に記入できない場合でも、加盟国にWHOグローバルクリニカルプラットフォームへの参加を強く推奨している。患者の臨床データは、診療記録の調査やレビューを通じて、前向きに、あるいは後向きに収集することがでます。
CRFは、WHOグローバルクリニカルプラットフォームを通じて、「原因不明の重症急性肝炎」にアクセス可能です。(WHO Global Clinical Platform for severe acute hepatitis of unknown aetiology)
発生率のベースライン推定のための調査
欧州地域以外の国からの原因不明の重症急性肝炎の発生率に関するベースラインデータは、まだ少ないのが現状です。WHOは加盟国に対し、任意ですが、全地域の異なる病院/センターから過去5年分のデータを集計し、世界規模の調査に参加するよう奨励しています。この調査は、ベースラインの発症率を推定するのに役立ち、また、予想以上に高い確率で症例が発生している場所を特定するのに重要です。
感染予防と管理
これらの事例の病因についてより多くのことが判明するまで、WHOは以下のような一般的な感染予防と管理の実践を勧めています。
・石鹸と水またはアルコールベースのハンドジェルを使用し、頻繁に手指の消毒を行うこと。
・人混みを避け、他人との距離を保つこと。
・屋内では換気をよくすること。
・適切な場合には、口と鼻を覆うフィット感のあるマスクを着用すること。
・咳やくしゃみをカバーすること。
・安全な水を飲むこと。
・より安全な食品を提供するための5つのポイント:(1)清潔に保つ、(2)生と調理済を分ける、(3)十分に加熱する、(4)安全な温度に保つ、(5)安全な水と原材料を使用する:を守ること。
・よく触れる表面は定期的に清掃すること。
・体調不良時の自宅待機と医療機関の受診
・医療施設では、標準予防策を遵守し、疑い例または推定例に対して、接触予防策および飛沫予防策を実施すること。
付表: 2021年10月1日以降に報告された原因不明の重症急性肝炎の推定例の国別分類(2022年6月22日現在)症例数は累積数。
空白は、本報告書作成時にデータがなかったことを示します。
*この表に含まれる情報は、欧州監視システム(TESSY)および公衆衛生情報プロセス内の症例ベースの監視活動を通じて検出された公式の情報源を含む国際保健規則(IHR2005)の下で通知されたデータを含んでいます。
#検査結果が判明している検体(陰性、陽性)はすべて分母に含まれます。
▲ 検体の種類(呼吸器、尿、便、全血、血清、その他、検体種類不明)を問わず、アデノウイルスが陽性であること ÷ 検体の種類を問わず、アデノウイルス検査結果を得た症例数。分母には、検査結果が判明している検体(陰性または陽性)をすべて含みます。
■ 今回の更新までに新たに報告された国
WHOは、小児における原因不明の重症急性肝炎の疑い例に対する検査の検討と戦略について、加盟国向けの暫定ガイダンスを作成しました。このガイダンスには、加盟国による診断の優先順位付けを支援するためのアドバイスが含まれており、風土病の地域的な考慮のために修正することが可能です。このガイダンスでは、小児の重症急性肝炎を引き起こすことが知られている、他の感染性因子、環境暴露(毒素、薬剤)、遺伝性代謝性疾患、自己免疫疾患を含む他の病因の評価も考慮しており、小児肝臓専門医と協議して検討する必要があります。
必要に応じて後日検査し、病因を特定するために、症状発現後できるだけ早い時期から様々な検体をルーチンとして採取することを優先させなければなりません。検査施設の検査許容量が限られている場合、検査診断のために地域または世界の検査施設の紹介利用と検体保管を検討すべきです。陽性検体は、さらなる検査や調査のために保管されるべきです。
臨床検査で加盟国をさらに支援するために、WHOは地域および世界の紹介検査施設のネットワークを構築しています。
詳細については、「小児における原因不明の重症急性肝炎の検査室検査に関する暫定ガイダンス」( Interim guidance on Laboratory testing for severe acute hepatitis of unknown aetiology in children )をご参照ください。
症例報告
WHOは加盟国に対し、WHOの症例定義に合致する小児の原因不明の重症急性肝炎の症例を、確立されたIHRメカニズムを通じて報告することを強く推奨しています。 詳細については、「小児における原因不明の重症急性肝炎の症例報告のための最小限の要因の提案」(Suggested minimum variables for reporting cases of severe acute hepatitis of unknown aetiology in children)をご参照ください。
WHOグローバルクリニカルプラットフォームを通じた臨床データの報告
WHOは、匿名化された症例ベースのデータの報告を容易にするため、臨床症例報告書(以下、「CRF」という)(clinical Case Report Form (CRF))を開発しました。標準化されたグローバルな臨床データの分析は、病因、疾患の臨床的特徴、自然史、重症度の理解に貢献し、公衆衛生への対応、調査や感染予防・管理介入へのアプローチを含む臨床管理ガイダンスの開発の指針となることを目的としています。 WHOは、WHOの症例定義に合致するすべての症例について、たとえCRFが完全に記入できない場合でも、加盟国にWHOグローバルクリニカルプラットフォームへの参加を強く推奨している。患者の臨床データは、診療記録の調査やレビューを通じて、前向きに、あるいは後向きに収集することがでます。
CRFは、WHOグローバルクリニカルプラットフォームを通じて、「原因不明の重症急性肝炎」にアクセス可能です。(WHO Global Clinical Platform for severe acute hepatitis of unknown aetiology)
発生率のベースライン推定のための調査
欧州地域以外の国からの原因不明の重症急性肝炎の発生率に関するベースラインデータは、まだ少ないのが現状です。WHOは加盟国に対し、任意ですが、全地域の異なる病院/センターから過去5年分のデータを集計し、世界規模の調査に参加するよう奨励しています。この調査は、ベースラインの発症率を推定するのに役立ち、また、予想以上に高い確率で症例が発生している場所を特定するのに重要です。
感染予防と管理
これらの事例の病因についてより多くのことが判明するまで、WHOは以下のような一般的な感染予防と管理の実践を勧めています。
・石鹸と水またはアルコールベースのハンドジェルを使用し、頻繁に手指の消毒を行うこと。
・人混みを避け、他人との距離を保つこと。
・屋内では換気をよくすること。
・適切な場合には、口と鼻を覆うフィット感のあるマスクを着用すること。
・咳やくしゃみをカバーすること。
・安全な水を飲むこと。
・より安全な食品を提供するための5つのポイント:(1)清潔に保つ、(2)生と調理済を分ける、(3)十分に加熱する、(4)安全な温度に保つ、(5)安全な水と原材料を使用する:を守ること。
・よく触れる表面は定期的に清掃すること。
・体調不良時の自宅待機と医療機関の受診
・医療施設では、標準予防策を遵守し、疑い例または推定例に対して、接触予防策および飛沫予防策を実施すること。
付表: 2021年10月1日以降に報告された原因不明の重症急性肝炎の推定例の国別分類(2022年6月22日現在)症例数は累積数。
国名 | 推定例及び疫学的関連例* (920例) |
肝臓移植が必要となった症例 (45例) |
PCRにおいて新型コロナウイルス陽性 (64例) (n:判明している場合の検査症例数)# |
PCRにおいてアデノウイルス陽性 (327例) (n:判明している場合の検査症例数)▲ |
アデノウイルス41型 (44例) (n:検査実施症例数は不明) |
アルゼンチン | 3 | 1 | 0 | 2 | 1 |
オーストリア | 3 | 0 | 1 / 3 | 0 / 3 | |
ベルギー | 14 | 0 | 3 / 14 | 2 / 7 | |
ブラジル■ | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ブルガリア | 1 | 0 | 0 / 1 | 0 / 1 | |
カナダ | 12 | 2 | 3 / 10 | 2 / 10 | 0/1 |
コロンビア■ | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 |
キプロス | 2 | 0 | 0 /1 | 1 / 2 | 0/1 |
デンマーク | 7 | 0 / 7 | |||
フランス | 7 | 0 | 0 / 7 | 4 / 6 | |
ギリシャ | 11 | 0 | 0 / 8 | 2 / 9 | |
インドネシア | 13 | 0 | |||
アイルランド | 14 | 2 | 0 / 7 | 8 / 13 | |
イスラエル | 5 | 0 / 2 | 1 / 2 | ||
イタリア | 34 | 1 | 2 / 18 | 10 / 23 | |
日本 | 58 | 0 | 5 | 4 | 0 |
ラトビア■ | 1 | 0 | 1 / 1 | ||
モルディブ | 1 | 0 | |||
メキシコ | 58 | 0 | |||
モルドバ | 1 | 0 | 0 / 1 | 0 / 1 | |
オランダ | 15 | 3 | 1 / 4 | 5 / 10 | |
ノルウェー | 5 | 0 | 2 / 5 | 2 / 5 | 2 |
パレスチナ | 1 | 0 | |||
パナマ | 1 | 0 | |||
ポーランド | 8 | 0 | 0 / 2 | 2 / 5 | |
ポルトガル | 15 | 0 | |||
カタール■ | 1 | 1 | |||
セルビア | 1 | 1 移植待ち | 0 / 1 | 1 / 1 | |
シンガポール | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 |
スペイン | 39 | 1 | 3 / 29 | 5 / 27 | 1 |
スウェーデン | 10 | 2, うち1例は移植待ち | 1 / 7 | 3 / 7 | |
英国 | 267 | 12 | 34/196 | 156/241 | 27 / 35 |
アメリカ合衆国 | 305 | 20 | 8/83 | 113 / 252 | 13 / 20 |
*この表に含まれる情報は、欧州監視システム(TESSY)および公衆衛生情報プロセス内の症例ベースの監視活動を通じて検出された公式の情報源を含む国際保健規則(IHR2005)の下で通知されたデータを含んでいます。
#検査結果が判明している検体(陰性、陽性)はすべて分母に含まれます。
▲ 検体の種類(呼吸器、尿、便、全血、血清、その他、検体種類不明)を問わず、アデノウイルスが陽性であること ÷ 検体の種類を問わず、アデノウイルス検査結果を得た症例数。分母には、検査結果が判明している検体(陰性または陽性)をすべて含みます。
■ 今回の更新までに新たに報告された国
出典
Severe acute hepatitis of unknown aetiology in children - Multi-country
Disease Outbreak News 24 June 2022
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON394
Disease Outbreak News 24 June 2022
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON394