エムポックス-南アフリカ共和国
状況概要
南アフリカ共和国の国際保健規則(IHR)担当部局(NFP ; National Focal Point)は、2024年5月8日から7月2日までの間に3例の死亡例(致命率(CFR ; Case Fatality Ratio)は15%)を含む20例のエムポックスの検査確定症例をWHOに通知しました。 これらの症例は、9つの州のうち3州で報告されており、内訳は以下の通りです:ハウテン州(10例;1死亡例)、西ケープ州(1例)、クワズール・ナタール州(9例;2死亡例)。 2022年に重症例でも死亡例でもない5例が報告されましたが、今回の事例は、それ以降初めて南アフリカで報告された症例です。感染者は17歳から43歳の男性であり、最初の16例のうち11例は男性と性交渉を持つ男性(MSM;men who have sex with men)と自認しています。 少なくとも15例の症例は、治療を受けていない、もしくは最近HIVの感染を診断されており、進行したHIV疾患(AHD;advanced HIV disease)の病態がありました。また、1例は糖尿病に罹患しています。 報告された感染者の感染経路は性的接触です。 18例の患者が入院を必要としました。 国の保健当局はWHOの支援を受けていくつかの対応策を講じています。海外渡航歴についての報告がないこと、確定症例での高いHIV有病率、さらには高い致命率から、これらの症例の突然の発生については、確定症例は発生した可能性のあるすべての症例のごく一部に過ぎず、コミュニティ内での感染が進行していることを示唆しています。 一般市民に対するヒトでの健康リスクは、国内では低いままですが、 ゲイの男性、バイセクシュアル男性、MSM、トランスジェンダーや多様なジェンダーの人々、セックスワーカーに対するリスクは中程度です。 南アフリカおよび近隣諸国で、これらおよび他の脆弱な集団の間での感染の拡大が続く場合、健康への影響が増大する可能性があります。 この事象は、クレードIIbのエムポックスウイルス(MPXV)に関連する世界的なエムポックスのアウトブレイクが依然として進行中であり、すべてのWHO地域において国境を越えた国際的な拡散のリスクが残っていることを強調しています。
本件に関する海外へ渡航される皆さまへのメッセージはこちら
本件に関する海外へ渡航される皆さまへのメッセージはこちら
発生の詳細
南アフリカ共和国のIHR NFPは、2024年5月8日から7月2日までの間に3例の死亡例(CFR 15%)を含む20例のエムポックス(サル痘)の検査確定症例をWHOに通知しました。 これらの症例は、9つの州のうち3州で報告されました:ハウテン州(10例;1死亡例)、西ケープ州(1例)、クワズール・ナタール州(9例;2死亡例)。症例はすべて男性で、年齢は17歳から43歳の間であり、ほぼ全員がMSMと自認しています。 ほとんどがHIVに感染している人々で、治療を受けていない、もしくは最近HIVの感染を診断されており、進行したAHDの病態がありました。また、1人は糖尿病に罹患しています。すべての症例に広範な皮膚病変を含む症状を認め、18人が入院を必要としました。 確定症例の中で海外渡航歴を報告した者はおらず、ハイリスクの社交イベントに参加した者もいませんでした。症例から報告された曝露形態は性的接触でした。
最初の16例について、クワズール・ナタール州で44例、西ケープ州で39例、ハウテン州で55例の接触者が特定されました。 クワズール・ナタール州の最初の4例のうち3例は接触追跡調査を通じて疫学的に関連がありましたが、ハウテン州の最初の7例は疫学的に関連が確認できないことが判明しており、市中感染が進行中であることを示唆しています。 最近の症例に対する個別の接触追跡調査が進行中です。さらに、限られた情報によれば、一部の感染者は、性的活動が行われるパーティーやクラブでエムポックスに曝露された可能性があります。
5例の確認された症例に対するゲノム配列解析により、複数国のエムポックスのアウトブレイクに関連するMPXVクレードIIbが特定されました。
2022-2024年に複数国で進行中のアウトブレイクの間 、2022年6月から8月のピーク時に、南アフリカでは5例のエムポックス症例が確認され、すべての症例で海外渡航歴があると報告されていました。 いずれの症例も重症な病態ではありませんでした。 2023年には報告された症例はありません。
図1. 南アフリカで2024年5月8日~7月2日に報告された エムポックス症例および死亡例の地理的分布(n=20)
最初の16例について、クワズール・ナタール州で44例、西ケープ州で39例、ハウテン州で55例の接触者が特定されました。 クワズール・ナタール州の最初の4例のうち3例は接触追跡調査を通じて疫学的に関連がありましたが、ハウテン州の最初の7例は疫学的に関連が確認できないことが判明しており、市中感染が進行中であることを示唆しています。 最近の症例に対する個別の接触追跡調査が進行中です。さらに、限られた情報によれば、一部の感染者は、性的活動が行われるパーティーやクラブでエムポックスに曝露された可能性があります。
5例の確認された症例に対するゲノム配列解析により、複数国のエムポックスのアウトブレイクに関連するMPXVクレードIIbが特定されました。
2022-2024年に複数国で進行中のアウトブレイクの間 、2022年6月から8月のピーク時に、南アフリカでは5例のエムポックス症例が確認され、すべての症例で海外渡航歴があると報告されていました。 いずれの症例も重症な病態ではありませんでした。 2023年には報告された症例はありません。
図1. 南アフリカで2024年5月8日~7月2日に報告された エムポックス症例および死亡例の地理的分布(n=20)
エムポックスの疫学
エムポックスは、MPXVによって引き起こされる感染症です。MPXVには、以前はコンゴ盆地クレードと呼ばれていたクレードIと、西アフリカクレードと呼ばれていたクレードIIの2つのクレードが知られており、クレードIIにはさらに、クレードIIaとクレードIIbの2つの亜系統があります。MPXVは、ヒトの間で病変部、体液、呼吸器飛沫、汚染物質との濃厚接触によって、または動物との接触や汚染されたブッシュミートの摂取によって動物からヒトへ感染します。
潜伏期間は1~21日ですが、症状が出ないまま感染している人もいます。通常、エムポックスでは発熱、筋肉痛、咽頭痛が最初に現れ、続いて皮膚や粘膜の発疹が現れます。通常、発疹は2~4週間かけて、斑、丘疹、水疱、膿疱と段階的に進展します。発疹は中心がくぼんでから痂皮化します。その後、かさぶたが剥がれ落ちます。リンパ節腫脹も典型的なエムポックスの特徴で、ほとんどの症例でみられます。 小児、妊婦、免疫力の弱い人は、合併症を起こしやすく、死亡するリスクもあります。
水痘、麻疹、細菌性皮膚感染症、疥癬、ヘルペス、梅毒、他の性感染症、および薬物アレルギーと区別することが重要です。エムポックスの患者は、ヘルペスのような他の性感染症を併発している可能性があります。あるいはエムポックスが疑われる子どもや大人が水痘を併発していることもあります。このような理由から、特に流行や新規の地域での最初の症例について、感染拡大を防ぐために公衆衛生や社会措置をとるべく検査診断を行うことが重要です。
治療は臨床症状の管理、発疹のケア、痛みの管理、合併症の予防が基本です。また、緊急時やコンパッショネート使用(未承認薬剤の危機的な状況下における使用の承認)を通じて入手できる場合、特に重症例や合併症のリスクが高い患者にはテコビリマットなどの抗ウイルス薬を使用します。
潜伏期間は1~21日ですが、症状が出ないまま感染している人もいます。通常、エムポックスでは発熱、筋肉痛、咽頭痛が最初に現れ、続いて皮膚や粘膜の発疹が現れます。通常、発疹は2~4週間かけて、斑、丘疹、水疱、膿疱と段階的に進展します。発疹は中心がくぼんでから痂皮化します。その後、かさぶたが剥がれ落ちます。リンパ節腫脹も典型的なエムポックスの特徴で、ほとんどの症例でみられます。 小児、妊婦、免疫力の弱い人は、合併症を起こしやすく、死亡するリスクもあります。
水痘、麻疹、細菌性皮膚感染症、疥癬、ヘルペス、梅毒、他の性感染症、および薬物アレルギーと区別することが重要です。エムポックスの患者は、ヘルペスのような他の性感染症を併発している可能性があります。あるいはエムポックスが疑われる子どもや大人が水痘を併発していることもあります。このような理由から、特に流行や新規の地域での最初の症例について、感染拡大を防ぐために公衆衛生や社会措置をとるべく検査診断を行うことが重要です。
治療は臨床症状の管理、発疹のケア、痛みの管理、合併症の予防が基本です。また、緊急時やコンパッショネート使用(未承認薬剤の危機的な状況下における使用の承認)を通じて入手できる場合、特に重症例や合併症のリスクが高い患者にはテコビリマットなどの抗ウイルス薬を使用します。
公衆衛生上の取り組み
調整
• 対応活動の調整のため、国、州、県、小地区レベルの実施パートナーや非政府組織のマッピングを行っています。
• 2024年6月12日に開催されたエムポックスに関する閣僚記者会見により報告されています。
• 国の保健当局は、予防対策とスティグマへの対処を強調した、定期的なエムポックスに関するメディア向け声明を発表しています。
サーベイランス
• 継続的な接触者追跡調査と積極的な症例検索を実施しています。
• 毎週、全国的なエムポックス状況報告書を作成しています。
臨床検査
• すべての公的医療施設は、国立衛生研究所(NHLS;National Health Laboratory Service)ネットワークを通じて国立感染症研究所(NICD;National Institute for Communicable Disease)に検体を照会し、検査を行っています。
• 民間の医療施設はエムポックスの検査を行い、NICDに配列決定のための検体を送ることができます。
• 疑われる患者と症状のある接触者の検査と結果報告の目標は24時間以内です。
• 検査を民間の検査機関に分散させることにより、検査能力を向上させています。
• 確立された下水サーベイランスサイトを活用して、エムポックスの環境サーベイランスを展開する準備を進めています。
症例管理
• 国の臨床ガイドラインを迅速に承認し、すべての公的・私的医療施設に配布しています。
• 500人以上の医療専門家が参加した臨床管理ウェビナーを含む、医療・介護従事者のための継続的な能力の開発を行っています。
• 医療従事者、患者、およびその親族に対するメンタルヘルスと心理的サポートを含む補足的な臨床ケアは、ケースマネジメントガイドライン、計画、およびトレーニングに優先的に盛り込まれました。
• 保健省は、南アフリカ保健製品規制局(SAHPRA;the South Africa Health Products Regulatory Authority)からテコビリマットの使用認可を取得しました。
• SAHPRAの21条を通じてテコビリマットを申請し、WHOから15コース分のテコビリマットが南アフリカに提供されました。
リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメント(RCCE ;Risk Communication and Community Engagement)
• リスクコミュニケーショ ンメッセージは現地の言語に翻訳され、状況に合わせて作成されました。
• クワズール・ナタール州とハウテン州で、影響を受けたコミュニティでの啓発活動が開始され、ハウテン州ではヘルスプロモーターやその他の関係者のための研修を実施しました。
• ヘルスプロモーターは、日常的な健康増進活動の一環として、診療所や地域社会でエムポックスに関する講演を実施しました。
• 2024年6月中旬、ヨハネスブルグのブラームフォンテインで、非政府組織(NGO;non-governmental organizations)と共同で、市民啓発イベントを実施しました。
• RCCE活動(STI、HIV、結核など)を支援するための国の保健当局の関連プログラムと連携しています。
• 主要な人々(MSMなど)と活動するNGOを特定し、連携しています。
• 関連機関は、ダーバンで開催された「プライド」イベント期間中、意識啓発に従事しました。
• NICDのウェブページを通じた定期的なオンライン更新しています(https://www.nicd.ac.za/mpox-updates/)。
予防接種戦略と研究イニシアティブ
• 曝露前ワクチン接種のリスク集団には、MSM、医療従事者、実験室職員が含まれ、一方、性交渉、家庭、医療施設の接触者には曝露後ワクチン接種が提供されます。
• ワクチン調達の選択肢については現在協議中です。
• WHOとパートナーは、緊急対応のためのワクチン接種戦略の策定を支援し、ワクチンと治療薬の臨床ワクチン研究に関する話し合いを行っています。
感染予防管理(IPC)
• IPCスタッフのための再教育研修を実施しています。
• 遺体の安全な管理と埋葬に関するガイドラインの更新、配布を行い、葬儀事業者への訓練もしています。
必要不可欠な保健サービスの継続(CEHS;Continuity of essential health services)
• エムポックス対策チームは、エムポックスの予防、スクリーニング、管理を国の保健当局の主要人口プログラムにおけるHIVとSTIのケアに統合するために活動しています。
設備と資源
• Equity Pharma社は、治療薬へのアクセスに関して国の保健当局のアフォーダブルメディスン部門(AMD;NDoH- Affordable Medicine Directorate )と協力しています。
WHOによるリスク評価
南アフリカにおいて、海外渡航歴及び疫学的関連のないエムポックス症例が突然出現したこと、確定症例のHIV有病率が高いこと、症例致命率が高いことから、コミュニティでの感染が進行中であることが示唆され、現在までに検出された症例はコミュニティで発生している可能性のあるすべての エムポックス症例のごく一部に過ぎず、ウイルスがどのくらいの期間循環していたかは不明です。これは、世界的な大流行が続く中、南アフリカがこれまでほとんど経験してこなかった感染症が早期に臨床的に探知されなかったこと、潜在的な無症候性疾患であること、あるいは、医療へのアクセスが限られていたり、スティグマを恐れているために、医療受診が遅れたりすることが一因である可能性があります。
現在のところ、初期症例における伝播のほとんどは、2022年から2024年にかけて複数国で発生したアウトブレイクにおける新規感染国での伝播と同様に、男性間での最近の性的接触に関連しています。ほとんどの確定症例では、おそらく接触者の特定が不完全なこともあり、疫学的な関連は確立されていません。このことは、検出されていない市中感染が発生していることを示唆しており、サーベイランスが強化されれば、さらなる症例が発生することが予想されます。現在のところ、一般市民の健康に対するリスクは低いままです。ゲイの男性、バイセクシュアル男性、MSM、トランスジェンダーおよび多様なジェンダーの持つ人々、セックスワーカーに対するリスクは、世界的なアウトブレイクに対する現在の評価と同様、中程度です。リスクが高いと評価されたのは、主に性的接触による曝露が原因で、認知されたリスク集団の間で感染が続いていること、また、国内ではHIV感染が未検出またはコントロールされていない人が多く、重症化のリスクもあるためです。南アフリカや近隣諸国の脆弱な集団に広く伝播し続ければ、健康への影響が増大する可能性があります。現在も発生しているエムポックスのデータから、小児、HIVのコントロールが不十分な人を含む免疫不全者、妊婦において、重症化し死亡するリスクが高いことが示されています。
最新の国連合同HIV/AIDS計画(UNAIDS;United Nations Programme on HIV/AIDS)のデータでは、南アフリカでMSMのHIV有病率は約30%と推定されており、そのうち抗レトロウイルス療法を受けているのは44%に過ぎません。このため、この集団は重篤な肺炎や死に極めて脆弱です。また、医療従事者がエムポックス患者をケアする際に個人防護具(PPE;personal protective equipment)を適切に使用しなければ、医療従事者にも危険が及びます。
2022年以前、西アフリカにおけるMPXVクレードIIのCFRは3.6%(95%CI:1.7%、6.8%)と推定されていました。現在進行中の複数国で発生したアウトブレイクにおけるCFR(0.2%)は、MPXVクレードIIで記録された中で最低です。対照的に、ほとんどの症例がHIVのコントロールが不十分な免疫不全者かその他の病気を併発していたことから、2024年に南アフリカで報告されたCFRは極めて高いです(15%)。重症度の低いエムポックス患者は、その状態を認識したり、診断や治療を求めたりする可能性が低いため、そのような症例は発見されず、報告されないままである可能性があります。
エムポックスワクチンの接種は、エムポックスに対して有効であることが示されています。南アフリカで天然痘の最後の症例が報告されたのは1972年であり、天然痘ワクチンの接種は1980年の世界的な根絶の直後に中止されました。従って、天然痘ワクチン接種による免疫(エムポックスには交差防御効果があります)は、現在ではよくて44歳以上の一部の人にしか存在しません。現在世界で発生しているエムポックス患者の年齢の中央値は34歳(IQR;Interquartile range:29-41)であり、南アフリカでは17-43歳の患者が報告されています。
南アフリカでは、医療従事者やセックスワーカー、男性と性交渉を持つ男性などの主要な集団の間で、エムポックスに対する認識が低く、予防のための実践に関する知識が不足していることが、エムポックスのリスクを悪化させています。エムポックスを含む外観を損なう皮膚疾患に罹患している人は、恐怖やスティグマを経験する可能性があり、主要な集団においてはさらに悪化する可能性があります。
南アフリカにおけるエムポックスの流行が今後も続くことが懸念されます:
現在のところ、初期症例における伝播のほとんどは、2022年から2024年にかけて複数国で発生したアウトブレイクにおける新規感染国での伝播と同様に、男性間での最近の性的接触に関連しています。ほとんどの確定症例では、おそらく接触者の特定が不完全なこともあり、疫学的な関連は確立されていません。このことは、検出されていない市中感染が発生していることを示唆しており、サーベイランスが強化されれば、さらなる症例が発生することが予想されます。現在のところ、一般市民の健康に対するリスクは低いままです。ゲイの男性、バイセクシュアル男性、MSM、トランスジェンダーおよび多様なジェンダーの持つ人々、セックスワーカーに対するリスクは、世界的なアウトブレイクに対する現在の評価と同様、中程度です。リスクが高いと評価されたのは、主に性的接触による曝露が原因で、認知されたリスク集団の間で感染が続いていること、また、国内ではHIV感染が未検出またはコントロールされていない人が多く、重症化のリスクもあるためです。南アフリカや近隣諸国の脆弱な集団に広く伝播し続ければ、健康への影響が増大する可能性があります。現在も発生しているエムポックスのデータから、小児、HIVのコントロールが不十分な人を含む免疫不全者、妊婦において、重症化し死亡するリスクが高いことが示されています。
最新の国連合同HIV/AIDS計画(UNAIDS;United Nations Programme on HIV/AIDS)のデータでは、南アフリカでMSMのHIV有病率は約30%と推定されており、そのうち抗レトロウイルス療法を受けているのは44%に過ぎません。このため、この集団は重篤な肺炎や死に極めて脆弱です。また、医療従事者がエムポックス患者をケアする際に個人防護具(PPE;personal protective equipment)を適切に使用しなければ、医療従事者にも危険が及びます。
2022年以前、西アフリカにおけるMPXVクレードIIのCFRは3.6%(95%CI:1.7%、6.8%)と推定されていました。現在進行中の複数国で発生したアウトブレイクにおけるCFR(0.2%)は、MPXVクレードIIで記録された中で最低です。対照的に、ほとんどの症例がHIVのコントロールが不十分な免疫不全者かその他の病気を併発していたことから、2024年に南アフリカで報告されたCFRは極めて高いです(15%)。重症度の低いエムポックス患者は、その状態を認識したり、診断や治療を求めたりする可能性が低いため、そのような症例は発見されず、報告されないままである可能性があります。
エムポックスワクチンの接種は、エムポックスに対して有効であることが示されています。南アフリカで天然痘の最後の症例が報告されたのは1972年であり、天然痘ワクチンの接種は1980年の世界的な根絶の直後に中止されました。従って、天然痘ワクチン接種による免疫(エムポックスには交差防御効果があります)は、現在ではよくて44歳以上の一部の人にしか存在しません。現在世界で発生しているエムポックス患者の年齢の中央値は34歳(IQR;Interquartile range:29-41)であり、南アフリカでは17-43歳の患者が報告されています。
南アフリカでは、医療従事者やセックスワーカー、男性と性交渉を持つ男性などの主要な集団の間で、エムポックスに対する認識が低く、予防のための実践に関する知識が不足していることが、エムポックスのリスクを悪化させています。エムポックスを含む外観を損なう皮膚疾患に罹患している人は、恐怖やスティグマを経験する可能性があり、主要な集団においてはさらに悪化する可能性があります。
南アフリカにおけるエムポックスの流行が今後も続くことが懸念されます:
- 報告された症例は、現在までのところ、曝露に脆弱な人々のみが罹患していることから、現地での感染の発見、報告が過少となっている可能性が高いです。
- 現在のところ、検出された症例はすべて重症で、皮膚病変が広範囲に及んでいるため、ウイルス感染が拡大し、患者の予後が悪化する可能性があります。
- 政府とパートナー機関は、罹患した患者に対する治療と、危険にさらされている人々に対するワクチンの導入に総動員していますが、これらの対策はまだ国内では広く普及していません。
- 南アフリカでは、一般市民のエムポックスに対する認識や、感染様式や感染が拡大する可能性のあるイベント、あるいはセックス・オン・プレミス(Public health advice on mpox (monkeypox) and sex-on-premises venues and events (who.int))の場での曝露リスクに関する情報は、まだ限られています。
- アフリカやその他の地域では、エムポックスの同時発生が起きており、さらなる感染のリスクが高まっています。
WHOからのアドバイス
一般的なアドバイス
すべての国の保健当局および臨床医・医療従事者は、MPXVクレードIIbに関連した世界的なエムポックスのアウトブレイクがWHOの全地域で進行中であり、国境を越えて国際的に拡大するリスクが存在することを認識すべきです。WHOへの各国からの報告は、ここ数カ月で完全かつ適時に行われることが少なくなっており、症例数は世界的に過小評価され続けています。
WHOは各国に対し、2023年8月に発表されたWHO事務局長の常設勧告で、特にエムポックスの疫学サーベイランスの強化に引き続き従うよう強く勧告しています。
各国は、ウイルスのゲノム配列決定を含め、WHOの暫定ガイダンスの更新に沿って、検査診断の利用可能性とアクセスを引き続き強化すべきです。 PCRによるウイルスDNAの検出は、エムポックスの検査として望ましいです。診断に最も適した検体は、発疹から直接採取されたもの(皮膚、体液、痂皮)で、しっかりと表面を拭うことによって採取されます。皮膚病変がない場合は、口腔咽頭、肛門、直腸のぬぐい液で検査が可能です。しかし、口腔咽頭、肛門、直腸の検体が陽性であれば、MPXV感染が確認されますが、陰性であってもMPXV感染を否定するには十分ではありません。血液検査は推奨されません。血清学的検査では異なるオルソポックスウイルスを区別できないため、後方視的な症例分類や特別な研究のために抗体検出法が適用されることがある標準検査機関に限定されます。
それぞれの状況に適したリスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントの持続的な実施、リスクのある人に対するワクチン接種の維持または開始、最適な症例管理、感染制御措置の遵守、異なる状況における感染様式をよりよく理解するための研究の強化、患者のニーズに適合した迅速診断法と治療法の開発に対する持続的な支援が必要です。
保健当局は、ヒトからヒトへのエムポックス感染の根絶を達成し、アウトブレイクへの対応能力を維持するよう努力すべきです。 エムポックスの臨床診断または検査確定診断を受けた者は、感染期間中の隔離を含め、地域の状況に応じて保健当局の指示に従います。感染が確認された患者と接触している人は、症状の発現を監視する期間である21日間、移動を制限するよう求められます(性的関係を控えるようにも勧告されます)。
エムポックスに感染する可能性のある人にはワクチン接種が推奨されます。現在、テコビリマットなど、特定の抗ウイルス治療薬の有効性が評価されています。テコビリマットへのアクセスは、WHOにコンパッショネート使用を要請するか、WHOのMEURI(Monitored Emergency Use of Unregistered and Investigational Interventions)プロトコール(公衆衛生危機状況下で実験場の薬剤を使用してよいか査定する倫理プロトコール)に基づく使用を申請することで可能となります。
特に抗レトロウイルス治療を開始しなければならない患者については、エムポックスとHIVの同時感染における最適な症例管理について、さまざまな状況において知識を深めることが不可欠です。
コミュニティにおいて
リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントは、影響を受けているコミュニティにリスクと予防行動を認識させ、スティグマと差別を理解し、予防し、闘う動機付けを与えるために不可欠です。今回のアウトブレイクでは、複数の性的接触が起こりうるハイリスクの環境での性行為を通じて、コミュニティでエムポックスに曝露されるリスクが継続的に存在します。
主要な対象者を特定し、医療専門家、地域団体、イベントやセックス・オン・プレミス(Public health advice on mpox (monkeypox) and sex-on-premises venues and events (who.int))の会場の管理者、コマーシャル・セックスワーカー、MSM、トランスジェンダーおよび多様なジェンダーの個人を含む主要な集団、性行為が行われる会場やイベントで働く人々や参加する人々、より重篤な疾病のリスクのある人々(未治療またはコントロール不良のHIV感染者を含む)に助言を提供すべきです。会場を安全に保つためには、リスク評価、リスク軽減、職員と顧客に対するリスクコミュニケーションを含むリスクベースのアプローチが推奨され、環境感染予防と管理の徹底が伴います。
自宅で隔離できる重症でない患者には、自分自身のケア方法について助言を与えるべきです。これには、発疹のケア(掻かない、病変に触れる前と後に手を清潔にする、滅菌水/消毒薬で発疹を清潔に保つなど)、患者の精神的健康のサポート(水分補給、よく食べる、十分な睡眠をとる、必要であれば痛みや発熱のための薬を使用する、リラックスできること/楽しいと感じることをする、など)に関するアドバイスが含まれます。家庭でのエムポックスからの回復に関する公衆衛生上のアドバイスの詳細は、このリンクからアクセスできます(Public advice on recovering from mpox at home (who.int))。
地域や家庭で患者をケアする医療・介護従事者は、推奨される感染制御対策に関するガイダンスとして、WHOの「エムポックスの症例管理と感染予防・制御に関する暫定迅速対応ガイダンス(Clinical management and infection prevention and control for monkeypox: Interim rapid response guidance, 10 June 2022 (who.int))」を参照すべきです。リスクを増幅させる可能性のある家庭や地域環境において、エムポックスの感染を予防し、阻止するために感染管理対策を実施することが極めて重要です。
医療現場において
医療現場で感染制御対策を実施することは、エムポックスの感染を予防・阻止するために必要です。標準予防策や感染予防策などの適切な管理策について、スタッフを訓練することが重要です。スタッフは、PPEを利用し、適切に着用し、WHOの5つの手指衛生を遵守し、患者環境の頻繁な清掃と消毒を確実に行い、適切な患者の配置と隔離を実施すべきです。エムポックス患者のケアに必要な感染制御対策に関する詳しいガイダンスについては、WHOの暫定ガイダンス「エムポックスの臨床管理と感染予防・管理(Clinical management and infection prevention and control for monkeypox: Interim rapid response guidance, 10 June 2022 (who.int))」を参照してください。
推奨される対策で自分自身を守る一方で、医療・介護従事者は、エムポックス患者へのスティグマを避けること、患者とその家族に心理的サポートを提供することを確実にしなければなりません。
入国地点において
当局、医療・介護従事者、地域団体に対し、エムポックスがリスクをもたらす可能性のある行事や集会への渡航前、渡航中、渡航後に、旅行者自身や他者を守るための関連情報を提供するよう奨励することが推奨されています。WHOは、現在の流行に関する入手可能な情報に基づき、いかなる渡航や貿易の制限も行わないよう勧告しています。
これらの症例から得られたすべてのウイルスゲノムの塩基配列はまだ決定されておらず、南アフリカと中央アフリカの間には広範な商業的・職業的交流があることが知られているため、南アフリカにMPXV クレードⅠが輸入される可能性についても警戒を怠らないことが重要です。
すべての国の保健当局および臨床医・医療従事者は、MPXVクレードIIbに関連した世界的なエムポックスのアウトブレイクがWHOの全地域で進行中であり、国境を越えて国際的に拡大するリスクが存在することを認識すべきです。WHOへの各国からの報告は、ここ数カ月で完全かつ適時に行われることが少なくなっており、症例数は世界的に過小評価され続けています。
WHOは各国に対し、2023年8月に発表されたWHO事務局長の常設勧告で、特にエムポックスの疫学サーベイランスの強化に引き続き従うよう強く勧告しています。
各国は、ウイルスのゲノム配列決定を含め、WHOの暫定ガイダンスの更新に沿って、検査診断の利用可能性とアクセスを引き続き強化すべきです。 PCRによるウイルスDNAの検出は、エムポックスの検査として望ましいです。診断に最も適した検体は、発疹から直接採取されたもの(皮膚、体液、痂皮)で、しっかりと表面を拭うことによって採取されます。皮膚病変がない場合は、口腔咽頭、肛門、直腸のぬぐい液で検査が可能です。しかし、口腔咽頭、肛門、直腸の検体が陽性であれば、MPXV感染が確認されますが、陰性であってもMPXV感染を否定するには十分ではありません。血液検査は推奨されません。血清学的検査では異なるオルソポックスウイルスを区別できないため、後方視的な症例分類や特別な研究のために抗体検出法が適用されることがある標準検査機関に限定されます。
それぞれの状況に適したリスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントの持続的な実施、リスクのある人に対するワクチン接種の維持または開始、最適な症例管理、感染制御措置の遵守、異なる状況における感染様式をよりよく理解するための研究の強化、患者のニーズに適合した迅速診断法と治療法の開発に対する持続的な支援が必要です。
保健当局は、ヒトからヒトへのエムポックス感染の根絶を達成し、アウトブレイクへの対応能力を維持するよう努力すべきです。 エムポックスの臨床診断または検査確定診断を受けた者は、感染期間中の隔離を含め、地域の状況に応じて保健当局の指示に従います。感染が確認された患者と接触している人は、症状の発現を監視する期間である21日間、移動を制限するよう求められます(性的関係を控えるようにも勧告されます)。
エムポックスに感染する可能性のある人にはワクチン接種が推奨されます。現在、テコビリマットなど、特定の抗ウイルス治療薬の有効性が評価されています。テコビリマットへのアクセスは、WHOにコンパッショネート使用を要請するか、WHOのMEURI(Monitored Emergency Use of Unregistered and Investigational Interventions)プロトコール(公衆衛生危機状況下で実験場の薬剤を使用してよいか査定する倫理プロトコール)に基づく使用を申請することで可能となります。
特に抗レトロウイルス治療を開始しなければならない患者については、エムポックスとHIVの同時感染における最適な症例管理について、さまざまな状況において知識を深めることが不可欠です。
コミュニティにおいて
リスクコミュニケーションとコミュニティエンゲージメントは、影響を受けているコミュニティにリスクと予防行動を認識させ、スティグマと差別を理解し、予防し、闘う動機付けを与えるために不可欠です。今回のアウトブレイクでは、複数の性的接触が起こりうるハイリスクの環境での性行為を通じて、コミュニティでエムポックスに曝露されるリスクが継続的に存在します。
主要な対象者を特定し、医療専門家、地域団体、イベントやセックス・オン・プレミス(Public health advice on mpox (monkeypox) and sex-on-premises venues and events (who.int))の会場の管理者、コマーシャル・セックスワーカー、MSM、トランスジェンダーおよび多様なジェンダーの個人を含む主要な集団、性行為が行われる会場やイベントで働く人々や参加する人々、より重篤な疾病のリスクのある人々(未治療またはコントロール不良のHIV感染者を含む)に助言を提供すべきです。会場を安全に保つためには、リスク評価、リスク軽減、職員と顧客に対するリスクコミュニケーションを含むリスクベースのアプローチが推奨され、環境感染予防と管理の徹底が伴います。
自宅で隔離できる重症でない患者には、自分自身のケア方法について助言を与えるべきです。これには、発疹のケア(掻かない、病変に触れる前と後に手を清潔にする、滅菌水/消毒薬で発疹を清潔に保つなど)、患者の精神的健康のサポート(水分補給、よく食べる、十分な睡眠をとる、必要であれば痛みや発熱のための薬を使用する、リラックスできること/楽しいと感じることをする、など)に関するアドバイスが含まれます。家庭でのエムポックスからの回復に関する公衆衛生上のアドバイスの詳細は、このリンクからアクセスできます(Public advice on recovering from mpox at home (who.int))。
地域や家庭で患者をケアする医療・介護従事者は、推奨される感染制御対策に関するガイダンスとして、WHOの「エムポックスの症例管理と感染予防・制御に関する暫定迅速対応ガイダンス(Clinical management and infection prevention and control for monkeypox: Interim rapid response guidance, 10 June 2022 (who.int))」を参照すべきです。リスクを増幅させる可能性のある家庭や地域環境において、エムポックスの感染を予防し、阻止するために感染管理対策を実施することが極めて重要です。
医療現場において
医療現場で感染制御対策を実施することは、エムポックスの感染を予防・阻止するために必要です。標準予防策や感染予防策などの適切な管理策について、スタッフを訓練することが重要です。スタッフは、PPEを利用し、適切に着用し、WHOの5つの手指衛生を遵守し、患者環境の頻繁な清掃と消毒を確実に行い、適切な患者の配置と隔離を実施すべきです。エムポックス患者のケアに必要な感染制御対策に関する詳しいガイダンスについては、WHOの暫定ガイダンス「エムポックスの臨床管理と感染予防・管理(Clinical management and infection prevention and control for monkeypox: Interim rapid response guidance, 10 June 2022 (who.int))」を参照してください。
推奨される対策で自分自身を守る一方で、医療・介護従事者は、エムポックス患者へのスティグマを避けること、患者とその家族に心理的サポートを提供することを確実にしなければなりません。
入国地点において
当局、医療・介護従事者、地域団体に対し、エムポックスがリスクをもたらす可能性のある行事や集会への渡航前、渡航中、渡航後に、旅行者自身や他者を守るための関連情報を提供するよう奨励することが推奨されています。WHOは、現在の流行に関する入手可能な情報に基づき、いかなる渡航や貿易の制限も行わないよう勧告しています。
これらの症例から得られたすべてのウイルスゲノムの塩基配列はまだ決定されておらず、南アフリカと中央アフリカの間には広範な商業的・職業的交流があることが知られているため、南アフリカにMPXV クレードⅠが輸入される可能性についても警戒を怠らないことが重要です。
出典
World Health Organization (9 July 2024). Disease Outbreak News; Mpox - South Africa
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2024-DON525
https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2024-DON525
海外へ渡航される皆様へ
エムポックスは、MPXVによって引き起こされる感染症です。症状には特徴的な発疹、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、疲労感が含まれます。
1. 情報収集:
• 渡航先のエムポックスの発生状況や、FORTHウェブサイト、現地の健康当局が発表する最新の情報を確認してください。
• WHOや各国の保健機関のウェブサイトを定期的にチェックしましょう。
例)WHO Mpox Situation Report
https://www.who.int/publications/m/item/multi-country-outbreak-of-mpox--external-situation-report-34--28-june-2024
2. 個人防護:
• 体調不良や明らかな皮膚病変のある人との接触、不特定多数、見知らぬ人やコマーシャル・セックスワーカーとの性交渉を避けることで感染リスクを下げることができます。
• 肌と肌が触れ合う可能性が高い、参加者の露出度が高いような感染のリスクが高い場所やイベントへ行くことは避けるようにしましょう。
• 一般的な感染対策として、公共の場では、手指衛生を徹底し、手洗いを頻繁に行いましょう。
3. 健康管理:
• 渡航中に特徴的な皮疹をはじめ、エムポックスを疑うような症状があらわれた場合は、エムポックスの可能性を伝えたうえで、すぐに医療機関を受診してください。
• 渡航後21日間は、自身の健康状態を観察し、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れた場合は医療機関に事前に連絡をした上で、速やかに受診しましょう。
• 感染が疑われる場合は、他の人との接触を避け、特に性的接触は控えてください。
• エムポックスと診断された場合は、保健所や医療機関の指示に従い、必要な治療を受け、自宅等における感染対策を徹底しましょう。
これらのアドバイスに従い、安全な旅行を心がけ、エムポックスの感染リスクを減らしましょう。
1. 情報収集:
• 渡航先のエムポックスの発生状況や、FORTHウェブサイト、現地の健康当局が発表する最新の情報を確認してください。
• WHOや各国の保健機関のウェブサイトを定期的にチェックしましょう。
例)WHO Mpox Situation Report
https://www.who.int/publications/m/item/multi-country-outbreak-of-mpox--external-situation-report-34--28-june-2024
2. 個人防護:
• 体調不良や明らかな皮膚病変のある人との接触、不特定多数、見知らぬ人やコマーシャル・セックスワーカーとの性交渉を避けることで感染リスクを下げることができます。
• 肌と肌が触れ合う可能性が高い、参加者の露出度が高いような感染のリスクが高い場所やイベントへ行くことは避けるようにしましょう。
• 一般的な感染対策として、公共の場では、手指衛生を徹底し、手洗いを頻繁に行いましょう。
3. 健康管理:
• 渡航中に特徴的な皮疹をはじめ、エムポックスを疑うような症状があらわれた場合は、エムポックスの可能性を伝えたうえで、すぐに医療機関を受診してください。
• 渡航後21日間は、自身の健康状態を観察し、発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れた場合は医療機関に事前に連絡をした上で、速やかに受診しましょう。
• 感染が疑われる場合は、他の人との接触を避け、特に性的接触は控えてください。
• エムポックスと診断された場合は、保健所や医療機関の指示に従い、必要な治療を受け、自宅等における感染対策を徹底しましょう。
これらのアドバイスに従い、安全な旅行を心がけ、エムポックスの感染リスクを減らしましょう。
備考
厚生労働省委託事業「国際感染症危機管理対応人材育成・派遣事業」にて翻訳・メッセージ原案を作成。
For translations: “This translation was not created by the World Health Organization (WHO). WHO is not responsible for the content or accuracy of this translation. The original English edition “Mpox - South Africa. Geneva: World Health Organization; 2024. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO” shall be the binding and authentic edition”.
For adaptations: “This is an adaptation of an original work “Mpox - South Africa. Geneva: World Health Organization (WHO); 2024. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO”. This adaptation was not created by WHO. WHO is not responsible for the content or accuracy of this adaptation. The original edition shall be the binding and authentic edition”.
For translations: “This translation was not created by the World Health Organization (WHO). WHO is not responsible for the content or accuracy of this translation. The original English edition “Mpox - South Africa. Geneva: World Health Organization; 2024. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO” shall be the binding and authentic edition”.
For adaptations: “This is an adaptation of an original work “Mpox - South Africa. Geneva: World Health Organization (WHO); 2024. Licence: CC BY-NC-SA 3.0 IGO”. This adaptation was not created by WHO. WHO is not responsible for the content or accuracy of this adaptation. The original edition shall be the binding and authentic edition”.