JOHAC 海外勤務健康センター 研究情報部



JOHAC(海外勤務健康管理センター)は独立行政法人労働者健康福祉機構の中で、海外勤務者の健康管理に貢献してきた組織です。 JOHACは平成22年3月に閉鎖されましたが、 FORTHでは旧JOHACホームページ情報の一部を転載しています。 JOHAC関連情報のご利用にあたっては、閉鎖以降の情報更新はなく、今後も更新される予定はないことをご了承ください。このため、情報内容が現状と異なっている可能性がございますので、ご利用にあたっては他の方法でのご確認もお願いいたします。
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海外勤務健康管理センター

怪我や急病に備える

Japan Overseas Health Adiministration Center

海外で怪我や急病になった場合に備えて、電話のそばに緊急時の連絡先をメモしておきましょう。

日本語で相談できる連絡先
海外旅行傷害保険やクレジットカードの日本語相談サービスで、怪我や急病時に対応してくれるものもあります。地域によっては、日本人会でこういった窓口を設けている場合もあります。
付き添いを頼める人
救急で受診する場合、付き添いがいないと辛いものがあります。 通訳のできる友人に付き添いを頼む必要があります。
家庭医
怪我や急病の場合でも、まずは家庭医に連絡するのが原則です。 救急病院を受診する場合でも、家庭医の紹介があると、円滑に受診できる場合があります。
救急病院
公的サービスの救急車(日本では119番)を呼ぶと、自動的に公立病院に搬送される場合があります。民営病院の受診を希望される場合、病院の救急車を呼ぶようおすすめします。
緊急移送サービス
医療機関のない僻地で急病になった場合など、患者を先進地域に搬送してくれます。高額ですが、現地医療では不十分な場合、こういったサービスを利用することになります。

海外では救急医療サービスも原則として、自由競走市場です。 このため、採算がとれるよう、救急医療は高額になります。 医療費を払える見込みがないと判断されると、診療を拒絶される場合もあります。 救急車を呼ぶ前に、医療保険の証書を準備しておく必要があります。


救急で受診する場合の問題点

わが国では、

  1. 救急医療は公的なもの。救急車(119番)を呼べば無料で病院に運んでくれる。
  2. 意識のない重体患者は、早急に治療を開始すべき。
  3. 原則として、犯罪捜査より、救命処置が優先する。

といった認識が一般的ですが、海外では通用しない場合があります。

  • 救急車が有料の場合もあります。
  • 意識のない患者の治療を行う場合、代理人による法的手続きを要求される場合があります。
  • 捜査のための証拠保全処置が優先、救命処置は後回しという判断をする地域もあります。

救急時の対処法

ひとくちに救急医療といっても、さまざまな状況があります。

夜間や休日の診療
家庭医に受診できない時間帯に利用します。通常は総合病院の一般外来あるいは救急外来を受診することになります。
高度の救急医療
重症かつ緊急治療を要する患者のためのものです。高度の医療設備をもった総合病院に搬送する必要があります。

いずれの場合でも、まずは家庭医に連絡を試みて下さい。 救急医療機関を受診する場合でも、家庭医の紹介があると手続きが円滑になる場合があります。


救急車

医療機関まで歩いてゆけるような状態でない場合、救急車を呼ぶことになります。 救急車には公営のものと民営のものがあります。

公営の救急車
わが国では119番を呼べば、救急車が無料で病院まで運んでくれます。海外でも同様のシステムがありますが、救急車を呼ぶ電話番号は地域によって異なります。行き先の病院を指定できる場合と、自動的に公立病院に搬送される場合があります。
民営の救急車
民営の病院も救急車をもっています。受診希望の病院がある場合、そちらに電話して下さい。ただし、病院の営業時間外は救急車も呼べません。また、原則として有料です。

料金より行き先が問題です。受診を希望される医療機関の救急車を呼ぶようおすすめします。


救急医療機関

途上国では、病状によって、医療機関を選ぶ必要があります。

入院設備のないもの
簡単な手術(当日帰宅できる程度)しかできません。 しかし、大病院の救急外来より、きめの細かいサービスを行っているものもあります。
入院設備のあるもの
基本的に各種専門外来を備えた総合病院です。 高度の治療が可能といっても、医療水準の低い地域では受診するのに不安が残ります。
高度の治療を要する場合、緊急度と医療水準から、先進地域に移送した方が良いと思われる場合もあります。

緊急移送サービス

医師や看護婦を乗せた救急車やヘリコプター等で、患者を信頼できる医療機関に移送するサービスです。 このようなサービスを行っている会社として、AEA(Asia Emergency Assistance), GESA Assistanceなどがあります。 基本的な利用手順は以下の通りですが、詳細は担当会社に確認して下さい。

  • 救急医療サービスの契約を交わし、契約書を受け取る(基本的に会員制ですが、損害保険の特約事項になっているものもあります)。
  • 急病時には、サービス会社に電話連絡する。
  • 契約書の番号と記載内容を確認し、確認がとれたら患者の移送を行う。
  • 近隣先進地域あるいは日本の病院まで患者を搬送してくれます。

緊急移送には多額の費用がかかります。どの程度までサポートされるかは契約内容によります。


Q&Aの回答

Q.救急車を呼んだら料金を請求されました。

日本では119番で救急車を呼ぶのは無料です。 しかし、海外では救急車が無料とは限りません。

なお料金より行き先が問題です。

公的サービスの救急車を呼ぶと公立病院に搬送される場合があります。 受診を希望される病院の救急車を呼ぶようおすすめします。


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