東京検疫所について
1. 検査業務について
東京検疫所検査課では、食品衛生法に基づいて輸入食品の検査を、羽田空港検疫所では検疫法に基づいて人や感染症媒介動物(蚊やねずみ)などに対する病原体の検査を行っています。
2. 食品衛生法に基づく検査
食品監視課が採取した輸入食品に対して微生物検査、理化学検査を行います。
a 微生物検査
冷凍食品、食肉製品などの食品別の成分規格について、微生物検査を行います。


主な項目
- 大腸菌群
- E.coli
- 腸炎ビブリオ
- 黄色ブドウ球菌
b 理化学検査
我が国において使用が認められていない食品添加物が使用されていないか、また、使用が認められているものは使用基準(使用量、対象食品)に適合しているかを確認するため、検査を行います。


主な項目
- ソルビン酸(保存料)
- 二酸化硫黄(漂白剤、保存料、酸化防止剤)
- 酸性タール系色素(着色料)
- サイクラミン酸(甘味料)


3. 検疫法に基づく検査
a 人の感染症検査
海外から入国する人が、鳥インフルエンザ(H5N1、H7N9)、中東呼吸器症候群(MERS)、マラリア、デング熱などの検疫感染症に感染していないか検査を行います。マラリアの場合は、血液を顕微鏡で観察し、その他は、リアルタイムPCR法を用いて、ウイルスの遺伝子を確認します。


b 感染症媒介動物(蚊やねずみなど)の検査
港湾衛生調査において、海港や空港の政令区域で捕まえた蚊やねずみが感染症を媒介する種であるか、また外来種であるかを同定し、これらが病原体を保有していないか検査を行います。
蚊族
蚊は種によってマラリア、デング熱、チクングニア熱等の感染症を媒介します。当所では、蚊族の種の同定と、蚊が媒介する感染症のうち、デング熱等が分類されるフラビ属のウイルスとチクングニアウイルスについて遺伝子検査を行います。


ねずみ族
ねずみは種によってペスト、腎症候性出血熱(HERS)、ハンタウイルス肺感染症(HPS)等の病原体を媒介します。当所では、ねずみ族の種の同定、採血、解剖、寄生したノミ、ダニなどの同定検査を行います。採血したねずみ族の血液は、ペスト、腎症候性出血熱に感染していないか、横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターに送り検査をしてもらいます。

