米国で発見された変異型のインフルエンザA型(H3N2)ウイルスについて(更新1)

2012年8月4日:CDC(原文〔英語〕へのリンク

2011年8月以降、米国では変異型のインフルエンザA型ウイルスに感染した患者が確認されており、主に、H3N2の変異型ウイルス(H3N2v)に感染していました。調査の結果、豚に接触した後に感染したほか、限定的な人‐人感染によって感染したことが明らかになっています。米国の豚でH3N2vが検出されており、米国の豚の間で、広がっているのかもしれません。そして、人での散発的な発生や地域的な集団感染は、今後も継続して発生する可能性があります。持続的に人‐人感染が起こっている証拠はありませんが、すべてのインフルエンザウイルスは変異をする能力があり、このウイルスが広範囲に広がる可能性があります。これまでのところ、このウイルスに関連した疾患の重症度は季節性インフルエンザと同様です。少数の血清学的な調査によれば、成人はこのウイルスに対して既に免疫を持っているかもしれませんが、小児には免疫がありません。米国CDCは、このH3N2vを含む新たなインフルエンザウイルスによる感染を注意深く監視しており、適時に情報提供しています。

2012年8月3日に公表されたCDCの情報によりますと、新たに、ハワイ州(1人)、オハイオ州(10人)、インディアナ州(1人)から12人の患者が報告されました。いずれの患者も、発症する前に豚との接触がありました。2011年8月以降、米国でのH3N2vの感染者数は29人であり、ハワイ州(1人)、インディアナ州(7人)、アイオワ州(3人)、メイン州(2人)、ペンシルバニア州(3人)、オハイオ州(10人)、ユタ州(1人)、ウェストバージニア州(2人)で発生しています。

臨床医は、最近、豚に接触した人でインフルエンザを疑った場合は、患者の鼻咽腔拭い液を採取するか、吸引器で吸引して、ウイルス搬送容器の中に入れ、搬送の調整と州の公衆衛生検査施設での迅速な診断を求めるために州または地域の保健当局に連絡を取るべきです。また、臨床医は疑い患者に対し、経口薬のオセルタミビルか吸入薬のザナミビルによる治療を検討すべきです。

季節性インフルエンザの予防と同様に、いつも、手洗いや咳エチケットなどの衛生習慣を実行することが重要です。小児、妊婦、65歳以上の高齢者、免疫抑制状態にある人は、動物が周囲にいる時には、特に注意が必要です。豚との濃厚接触がある人は、豚と人との間にインフルエンザが伝播するリスクを減らすために手指衛生や咳エチケットなどの感染予防対策が勧められます。可能であれば、病気のようにみえる動物や病気の動物との濃厚接触を避けるべきです。また、インフルエンザのような症状が出た人は、豚との接触を避けるべきです。

出典

参考

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