2012年05月25日更新 アフリカで髄膜炎が発生しています(更新4)

1月1日から4月17日(疫学第17週)までに、髄膜炎菌感染症がアフリカ髄膜炎ベルト地帯にある14か国1)のうち10か国の42地域より報告されました。

10か国(ベナン、ブルキナファソ、チャド、中央アフリカ、コートジボアール、ガンビア、ガーナ、マリ、ナイジェリア、スーダン)から960人の死亡者を含む合計11,647人が報告されました。致死率は8.2%です。
発生の主な原因菌はNeisseria meningitidis(Nm)の血清型W135によるものです。

各国保健省はこの流行に対して、サーベイランスの強化や症例管理、ワクチン供給の国際調整団体(ICG)を通じて国境を越えたワクチン供給の強化を含めた一連の髄膜炎の予防と制御対策を実施しています。
ICGは最も影響を受けた下表2)の6か国に対し、治療薬やワクチンを配布しています。また、ワクチンキャンペーンが協力機関とともに実施されています。

WHOは流行状況について細心の注意をもってパートナーや感染国の保健省と共同で監視しつづけています。

1) アフリカ髄膜炎ベルト地帯にあり髄膜炎菌感染症サーベイランスを強化した14か国はベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボアール、コンゴ民主共和国、エチオピア、ガーナ、マリ、ニジェール、ナイジェリア、スーダン、トーゴです。

2)

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髄膜炎菌に対しては有効なワクチンがあります。

流行している地域に渡航する方は、この地域の感染症流行情報にご注意下さい。
現地で地元の人と長期間あるいは濃厚に接触する可能性がある場合や長期滞在される場合には、ワクチン*を受けることについて医師と相談して下さい。国産ワクチンがないため、日本で接種を受ける場合には輸入されたワクチンを扱っている施設でワクチンを受ける必要があります。
(*「髄膜炎菌」に対するワクチンで、Hib、肺炎球菌ワクチンではありません。)

詳しくはこちらをご覧下さい。

感染症情報:髄膜炎菌

心配な場合には早めの受診を

現地滞在中や流行地域から帰国後、突然の発熱、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状がみられた場合は、できる限り早く医療機関を受診してください。

出典

WHO:髄膜炎菌感染症:アフリカ髄膜炎ベルトの状況(2012年5月24日)
http://www.who.int/csr/don/2012_05_24/en/index.html

参考

FORTH 新着情報:
2012年03月15日アフリカで髄膜炎が発生しています。
2012年03月26日アフリカで髄膜炎が発生しています(更新1)。
2012年04月23日ベナンにおける髄膜炎菌性髄膜炎の流行について(更新2)
2012年05月17日アフリカで髄膜炎の流行が続いています。(更新3)