2012年08月02日更新 ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新1)

ウガンダ西部のキバレ(Kibaale)でエボラ出血熱が発生しています。初発患者は、キバレのNyamarunda地域のNyanswiga村で発見されました。

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年8月1日に公表されたWHOとCDCの情報によりますと、ウガンダ保健省は、2012年7月31日現在、患者数が38人になり、そのうち16人が死亡したと報告しています。確定診断はエンテベ(Entebbe)にあるウガンダウイルス研究所で行われました。

ウガンダ保健省は、国の対策本部で毎日の進展を調査し、連日、メディアに情報提供を行っています。キバレでも、実地対応を調整するために対策本部が設置されています。また、近隣の地区では、集団感染について高い警戒態勢が敷かれ、サーベイランスが強化されています。

対応を支援するために、保健省、WHO、米国CDC、国境なき医師団、赤十字社の専門家がキバレに派遣されています。確定患者や疑い患者に接触があった可能性のある人は追跡調査を行うために特定されています。患者管理を支援するために必要な物品の供給や後方支援が行われています。

キバレ病院では疑い患者や確定患者を隔離するための臨時隔離病棟が設置されました。現在、18人が隔離病棟に入院しています。オランダの国境なき医師団が、病院の隔離病棟を設置するために必要な物資を提供しています。保健省とムラゴ(Mulago)病院は隔離病棟を管理するためのスタッフを動員していますが、さらに多くの人員が必要です。

WHOは集団感染に対応している保健省を支援しています。現在、WHOは疫学者を派遣し、個人防護具などの物資を提供しています。さらに多くの専門家が派遣される予定です。

既に、積極的な患者発見、接触者の調査、サーベイランスの強化、感染予防対策の強化、社会動員、調整会議の開催といった感染拡大を防ぐ活動が行われています。

WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ウガンダに渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

出典

WHO AFROEbola Outbreak in Uganda, as of01 August 2012
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/3647-ebola-outbreak-in-uganda-as-of-01-august-2012.html

CDC Travelers’ HealthOutbreak NoticeEbola in Uganda
http://wwwnc.cdc.gov/travel/notices/outbreak-notice/ebola-uganda-2012.htm

参考

FORTH 新着情報

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています 2012年7月30日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/07301025.html