2012年10月05日更新 ウガンダにおけるエボラ出血熱の終息宣言

2012年10月4日に公表されたWHOの情報によりますと、ウガンダ保健省は同日、キバレ(Kibaale)で発生していたエボラ出血熱の終息を宣言しました。最後の患者は、2012年8月3日に確認され、8月24日に病院を退院しました。WHOが推奨しているエボラ出血熱の最大潜伏期間(21日)の2倍の日数が経過しました。この流行で、エボラ出血熱の確定患者と疑い患者の合計24人が報告され、このうち11人はエンテベにあるウガンダウイルス研究所(UVRI)で確定診断されました。合計17人が死亡したと報告されています。

保健省は流行に対応するため、国と地域の対策本部を調整していました。保健省はWHOやアフリカ実地疫学ネットワーク(AFENET)、現地のNGOであるEMESCO財団、感染症研究所(IDI)、ウガンダ赤十字社(URCS)、国境なき医師団(MSF)、国連児童基金(ユニセフ)、米国CDC、米国国際開発庁(USAID)を含む他の機関と緊密に連携しました。WHOはまた、対策を支援するためGOARN(Global Outbreak Alert and Response Network)の調整も行いました。

流行期間中の対策活動には、早期の患者発見や追跡調査の監視強化、バリアナーシングを使用した隔離施設での患者管理や安全な埋葬を含む感染予防管理の強化、医療環境下での標準予防策の強化、国と地域レベルでの情報提供の強化が含まれます。

CDCが率いる研究チームは、エボラウイルスの感染源や感染経路を把握するために、キバレ地区の生態調査を実施しました。エボラウイルスの保有動物やその野生動物からの最初のヒト感染を調査するため、コウモリ、霊長類、家畜から検体を採取しました。

エボラ対策チームは、予防と患者の早期発見、将来のどんな疑い例も早期に報告するために、住民を教育し続けています。地域の医療従事者は、ヘルスケアの感染予防について訓練されています。

この事例に関して、WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

<エボラウイルスの種に関する一般的な情報>
エボラウイルスには5つの種が確認されています。種の名前は、その種のウイルスによるエボラ出血熱の発生が最初に発見された地名にちなんでつけられています。5種のうち、ザイールエボラウイルス、スーダンエボラウイルス、ブンディブギョエボラウイルスの3種が、アフリカのエボラ出血熱の大規模な発生と関連していました。エボラ出血熱は患者のうち25%から90%が死亡する出血熱です。フィリピンで発見されたレストンエボラウイルスは、人に感染することはありますが、これまでに、人での発症や死亡は報告されていません。

・感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHOEnd of Ebola outbreak in Uganda
http://www.who.int/csr/don/2012_10_04/en/index.html

参考

FORTH 新着情報

ウガンダで発生したエボラ出血熱は終息しました 2012年9月4日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/09041002.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新7) 2012年8月31日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08311305.html

FORTH 最新情報

エボラ出血熱について(ファクトシート)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2012/08221034.html