2013年01月24日更新 スーダンで黄熱の患者が発生しています(更新1)

黄熱は蚊によって感染します。感染しても症状が出ないこともありますが、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐などの症状が現れ、皮膚が黄色くなったり、出血しやすくなったりして、死亡することも多い病気です。黄熱の感染拡大を防止するためには、予防接種が最も重要な方法です。特別な治療法はなく、脱水や発熱の支持療法が行われます。また、輸血が必要になることもあります。

1月23日付で世界保健機関(WHO)東地中海事務所(EMRO)から公表された情報によりますと、黄熱の患者は35地域以上で発生しています。これまでに、840人を超える黄熱の患者が報告されており、このうち171人が死亡しています。

ダルフールでは、昨年11月から今年1月の第1週にかけて、黄熱に対する緊急集団予防接種キャンペーンの第1段階と第2段階が実施され、300万人以上に黄熱の予防接種が行われました。予防接種キャンペーンの第3段階は、必要なワクチンが届き、1月26日に開始される予定です。

また、国内の他の地域における黄熱のリスクとさらなる予防接種キャンペーンの必要性を評価するため、国の黄熱リスク評価が進められています。

スーダンへ渡航される方は、今後の流行情報に注意するとともに、以下のような対策をとることをお勧めします。

蚊に刺されないための対策

  • 可能な限り、しっかりと網戸がとりつけられているか、エアコンが備わっている、または、蚊をしっかりと駆除しているホテルやリゾートに滞在してください。蚊取り線香も有効です。
  • 長袖のシャツ、ズボンを着て、できるだけ皮膚の露出部を少なくするようにしてください。
  • 流行地域では屋外にでかける場合や網戸が備わっていない建物にいる場合には、ディート(DEET)などの有効成分が含まれている虫よけ剤を、皮膚の露出部につけてください。使用する場合には、必ず添付文書に記載されている使用法を守ってください。日焼け止めを使う場合は、先に日焼け止めをつけてから、虫よけ剤を使用してください。
  • 子ども、とくに乳児への虫よけ剤の使用については、小児科医にご相談ください。虫よけ剤が使用できない場合、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳でベビーカーをおおってください。

心配な場合には早めの受診を

海外で熱などの症状が出たら、できる限り早く医療機関を受診してください。

また、ご帰国の際に、発熱や心配な症状のある方は検疫所の担当者にご相談ください。帰国後に発症した場合や、症状が良くならない場合は、お近くの医療機関または検疫所にご連絡ください。

医療機関を受診する時には、医師に、渡航先や渡航期間、渡航先での活動などについて、詳しく伝えてください。

感染症情報

出典

WHO EMRO SudanDonors prompt response curbs spread of outbreak
http://www.emro.who.int/sdn/sudan-news/sudan-donors-yellowfever.html

参考

FORTH 新着情報スーダンで黄熱の患者が発生しています (2013年1月15日)
https://www.forth.go.jp/topics/2013/01150954.html