1.全体の流れ
海外から食品を輸入する場合には、農林水産省植物防疫所・動物検疫所、厚生労働省検疫所、財務省税関などにおいて様々な法律要件を確認する必要があります。
- 海外から船や航空機で日本に貨物が到着すると保税地域に留め置かれます。保税地域とは外国貨物を置くことができる場所として、税関長が許可した場所のことです。
- 保税地域に留め置かれた食品等は、@小麦や生鮮野菜などは(1)農林水産省の植物防疫所で、A食肉やハム・ソーセージなどの食肉加工品は(2)農林水産省の動物検疫所でそれぞれ審査・検査を受けます。
- 植物検疫所と動物検疫所で審査・検査をうけたものと、Bその他の食品等は(3)厚生労働省の検疫所に「食品等輸入届出」を行い、審査・検査を受けます。
- その後、(4)税関の輸入許可を受けて、保税地域より貨物を運び出すことができ、初めて国内市場で流通することができます(*その他の法律の確認が必要な場合もあります。その場合は、税関の指示に従って下さい)
その他の省庁の手続きについては、
農林水産省植物防疫所
http://www.maff.go.jp/pps/
〃 動物検疫所
http://www.maff.go.jp/aqs/
財務省 税関
http://www.customs.go.jp/
2.厚生労働省検疫所での輸入届出手続きの流れ
3.審査と検査
検疫所による審査の結果、検査による確認の必要があると判断されたものは、以下の検査等を実施し、審査の結果と検査結果をもとに食品衛生法に適合していることを確認します。
(1)検査命令制度
輸出国の事情、食品の特性、同種食品の違反事例から、食品衛生法違反の可能性が高い
と判断される食品等について、厚生労働大臣の命により輸入者自らが費用を負担し実施す
る検査を「検査命令」といいます。結果が判明し、適法と判断されるまで輸入手続きを進
めることができません。
検査命令はこちら
(2)モニタリング検査制度
食品衛生法違反の可能性が低い食品等について、品目毎の年間輸入量及び過去の違反実
績を勘案した年間計画に基づき、厚生労働省検疫所において実施される検査を「モニタリ
ング検査」といいます。
モニタリング検査は多種多様な輸入食品の衛生上の状況を把握することを目的に、円滑
な輸入・流通を認めていることから、試験検体の採取は行われますが、試験結果の判定を
待たずに輸入手続きを進めることができます。
モニタリング検査はこちら
(3)行政検査
初回輸入食品等の検査、食品衛生法に違反した食品等の確認検査、輸送途中で事故が発
生した食品等の確認検査等が厚生労働省検疫所の食品衛生監視員により実施されます。
(4)指導検査
初回輸入時や定期的な輸入時に、輸入者としての食品衛生上の安全確保の観点から必要
な項目について(例:食品衛生法の規格基準に基づく検査項目、食品添加物、残留農薬、
動物用医薬品等)、試験を行うよう厚生労働省検疫所から輸入者へ検査を指導します。