2012年08月07日更新 ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新3)

ウガンダ西部のキバレ(Kibaale)でエボラ出血熱が発生しています。初発患者は、キバレのNyamarunda地域のNyanswiga村で発見されました。

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年8月6日に公表されたWHOアフリカ地域事務所の情報によりますと、ウガンダ保健省は、疑い患者数が59人になり、そのうち16人が死亡したと報告しています。10人の確定診断はエンテベ(Entebbe)にあるウガンダウイルス研究所で行われました。このうち、6人は急性期の患者で、4人は回復期にある患者です。

現在、36人がキバレのカガディ(Kagadi)病院の隔離病棟に入院し、このうち29人は回復期の病棟で、まもなく退院予定です。

合計398人が接触者として確認されました。84人は21日間の観察期間を終え、292人はまだ綿密に経過観察されています。

これまでに他の地区で採取された検体が検査されましたが、いずれの検体もエボラ出血熱は陰性でした。

キバレの患者を治療のためにカンパラのムラゴ(Mulago)病院に搬送した医療スタッフが、その後死亡しています。ムラゴ病院に死亡者を搬送した7人の医療スタッフは接触者として毎日監視されていますが、経過観察16日目の時点で発症した人はいません。

このことはキバレからの感染拡大はみられていないことを示しています。

キバレのカガディでは、国境なき医師団(MSF)の支援により新たな隔離施設が建設されました。エボラ出血熱が陰性の回復期にある患者のための病棟が使用可能となりました。回復期の患者は退院にむけて、心理社会的な支援を受けています。WHOは患者が帰宅後、安心して社会生活が送れるよう支援しています。

<近隣諸国の対応>

ウガンダに隣接する各国は、エボラ出血熱の患者の発見と対応のため監視を強化しています。

ケニア、ルワンダ、南スーダン、タンザニアでは疑い患者の調査を行っています。ケニアとルワンダでは疑い患者を調査し、エボラ出血熱を除外しました。

ケニア政府と南スーダン政府は、一般国民へのガイダンスを発行し、監視強化に着手するための国家対策本部を設置しました。

タンザニアでは疑い患者の調査が続いています。


WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ウガンダに渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

・感染症情報:エボラ出血熱

出典

AFRO:Ebola Outbreak in Uganda(As of 06 August 2012)
http://www.afro.who.int/en/clusters-a-programmes/dpc/epidemic-a-pandemic-alert-and-response/outbreak-news/3650-ebola-outbreak-in-uganda-as-of-06-august-2012.html

参考

FORTH 新着情報

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています 2012年7月30日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/07301025.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新1)2012年8月2日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08020952.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新2)2012年8月6日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08061113.html