国別情報:バングラデシュ
気候と気をつけたい病気
- バングラデシュは国土のほとんどが熱帯モンスーン気候に属し、一般的には暑期(4月~5月)、雨期(6月~10月)、乾期(11月~3月)に分けられます。ほぼ毎年のように洪水やサイクロン、竜巻などによる被害が生じています。
- 停電の多発や小雨により水質が悪くなっており、水道水の浄化や消毒、配管の問題もあるため、生水の飲用は避け、ミネラルウォーターかしっかり沸騰させた水を飲用しましょう。レストランで出される水、氷、グラスなどにも注意してください。
- 高温多湿の気候に加え、劣悪な衛生環境のため、年間を通じてA型肝炎、腸チフス、パラチフス、コレラ、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)、他の原虫症、蠕虫症(回虫症、鞭虫症など)が多く発生しています。特に雨期(6月から10月)には衛生状態が悪化するので注意が必要です。十分加熱されたものを、冷めないうちに食べるようにしましょう。
- 雨期の後半はデング熱が流行します。チクングニア熱のリスクもあります。日本脳炎は5月から10月にかけて、広範囲で流行しているようです。
一年を通してマラリアのリスクがありますが、感染するのは農村部に限られ、特にチッタゴン丘陵地帯、チッタゴン、コックスバザールはマラリア流行地域です。ダッカを含む多くの場所ではリスクはありません。
- 近年、1 月から5 月にかけてニパウイルス感染が報告されています。ウイルスをもっているコウモリに接触してうつるほか、コウモリの尿や唾液で汚染された果物/果物製品を食べることによってもうつることがありますので注意が必要です。
- 狂犬病の流行地域ですので、注意が必要です。 また、鳥インフルエンザ(H5N1)の患者の発生が続いていますので、動物には手を出したり、近寄ったりしないようにしましょう。
- 地方ではヘビにかまれる危険がありますので、注意しましょう。
この国に関する新着情報
受けておきたい予防接種、持っていきたい薬
- *1:犬や野生動物との接触が予想される場合は推奨
- *2:農村部に長期滞在する場合は推奨
- 黄熱流行国から入国する際は、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。
薬:普段服用している市販の薬、主治医より処方されている薬
- 抗マラリア薬に耐性を持つマラリアもありますので、リスクのある地域へ行く場合にはマラリア予防薬について医師と相談しましょう。
- 常備薬を携帯しましょう。現地でも薬は入手可能ですが、高温多湿の中で保管されたまま販売されており、有効期限切れの薬品も少なくありません。信頼性、安全性が十分とはいえませんので、飲み慣れたものを持参するのが安心です。
医療情報
医師や医療スタッフが少ないです。ダッカやチッタゴンなど主要都市以外は医療機関が少なく設備も整っていません。ダッカ市内の一部の病院では、欧米の先進技術を取り入れている病院があります。専門的な治療や入院が必要な場合は国外(日本、タイ(バンコク)、シンガポール)で治療を受ける必要があります。医療費は高額になりますので、万が一のことを考え、旅行保険への加入を検討しましょう。
帰国後の過ごし方・注意点
病気は、感染してから症状が出るまでに時間を要します。これを潜伏期間と言います。滞在中数日経過してから、あるいは帰国後に症状が現れることがあります。
日本にはない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国時に心配な症状などある方は、検疫所の担当官にご相談ください。
平成24年7月12日更新