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地域別情報:中東

気候と気をつけたい病気

  • 熱帯砂漠地帯から山岳地帯まで広がり、地域によって気候は異なります。基本的に暑くて乾燥しているのが特徴で、夏は最高気温が50度を超える地域もありますが、冬は氷点下まで下がり積雪のみられる地域もあります。ペルシャ湾や紅海沿岸部は、概ね年間を通して高温多湿で、気温の差はありませんが、内陸部は、乾燥した大陸性の砂漠気候で、寒暖の差が大きいです。強い季節風(砂嵐)が年間を通して発生しており、一部の地域では特に5月、6月がひどく、視界が悪くなります。
  • 多くの国で海水を淡水処理された水道水が供給されていますが、首都でも上水道が整備されていない地域もあり、整備されてあっても供給用パイプや貯水槽に問題がある場合もあります。飲用には市販のミネラルウォーターをおすすめします。
  • 5月から11月は気温が上昇し、食中毒が多く発生しています。細菌性赤痢A型肝炎腸チフスサルモネラカンピロバクター感染症コレラアメーバ赤痢ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)などの経口感染症があります。信頼できる飲食店で、十分加熱されたものを冷めないうちに食べるようにしましょう。
  • 2012年以降、中東の複数の国で急性呼吸器症状を示す新種のコロナウイルスによる中東呼吸器症候群(以下、「MERS」とする)が報告されています。MERSは、ヒトへの感染源として、ヒトコブラクダが有力視されています。また、ヒトからヒトへの感染は、主に飛沫感染であることが知られており、持病のある人は重症化しやすいとも言われています。現地で感染が疑われる人との接触、ラクダとの接触やラクダの未殺菌肉・乳などの摂取は、感染するリスクがあるので、避けてください。
  • アフガニスタンはポリオの流行国です。2015年にも患者の発生が続いています。2014年1月にはシリアでも患者が発生しました。なお、イスラエルとパレスチナ自治政府では、近年、麻痺型ポリオの患者は報告されていませんが、2013年には採取された汚水の検体から野生株ポリオウイルス1型が検出されました。
  • 地中海沿岸地域はブルセラ症 (波状熱、地中海熱、マルタ熱ともいわれます)の発生地域で、ブルセラ菌に汚染された生乳や乳製品(自家製チーズ等)の摂取により感染が起こっています。安全性の確認されているものを食べましょう。
  • 中東の約半数の国々の限られた地域で、マラリアに感染する危険があります。地域によって、三日熱マラリアや熱帯熱マラリアがあり、感染する危険のある主な時期も異なります。また一部の地域では、デング熱チクングニア熱ウエストナイル熱に感染するリスクもあります。過去にはイエメンとサウジアラビアでリフトバレー熱の患者が報告されたこともあります。これらの病気は蚊に刺されることでうつります。蚊に刺されないように虫よけ対策をしてください。
  • ダニによってうつるクリミア・コンゴ出血熱の流行地域です。また、中東の全域で、サシチョウバエによってうつるリーシュマニア症の報告があります。皮膚リーシュマニア症は特に地中海と国境を接する国で、内臓リーシュマニア症はイラク、サウジアラビア、シリア、トルコなどの限られた地域で発生しています。ダニや昆虫に咬まれないよう虫除け対策をして下さい。
  • イラク、サウジアラビア、シリア、イエメンなどでは、住血吸虫症の発生がみられています。湖沼や河川には、皮膚から入る寄生虫がいますので、入らないようにしましょう。
  • 狂犬病の発生地域です。また、過去には鳥インフルエンザ(H5N1)の患者が発生しました。野犬や野良猫も含め、動物には手を出したり、近寄ったりしないようにしましょう。

この国に関する新着情報

受けておきたい予防接種、持っていきたい薬

海外渡航のためのワクチン

予防接種:A型肝炎B型肝炎破傷風、(狂犬病*1)、(ポリオ*2

  • *1:犬や野生動物との接触が予想される場合には推奨
  • *2:アフガニスタン、シリア、イスラエル、パレスチナ自治政府に渡航する場合には推奨
  • 中東の多くの国で、黄熱に感染する危険のある国から入国する際に、黄熱の国際予防接種証明書が必要です。

薬:普段服用している市販の薬、主治医より処方されている薬

  • 抗マラリア薬に耐性を持つマラリアもありますので、感染する危険のある地域へ行く場合にはマラリア予防薬について医師と相談しましょう。
  • 常備薬を携帯しましょう。現地でも薬は入手可能ですが、地域によっては医薬品の流通が不安定で入手できないこともあります。言語の問題もあり、また、自分の体に合うかどうかわかりません。飲み慣れたものを持参するのが安心です。

医療情報

一部の国では比較的医療水準の高い都市もありますが、地域間(都市部と地方)や社会情勢により大きな差がみられます。国立病院と私立病院があり、私立病院ではある程度の設備は整っていますが、高度な医療を受ける必要がある場合は医療先進国で受けた方がよいでしょう。概して医療費は高額で、受診前には保証金や前払いを求められますので、十分な現金を持って受診する必要があります。万が一のことを考え、旅行保険への加入を検討しましょう。

帰国後の過ごし方・注意点

病気は、感染してから症状が出るまでに時間を要します。これを潜伏期間と言います。滞在中数日経過してから、あるいは帰国後に症状が現れることがあります。
日本にはない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国時に心配な症状などある方は、検疫所の担当官にご相談ください。

平成27年7月22日更新