国別情報:カナダ
気候と気をつけたい感染症
- カナダは、広大な国土のため、気候は地域や時期により異なります。バンクーバーなど太平洋側は、夏は湿気が少なく、冬は他の地域と比べ、寒さも緩やかで、積雪も少ないですが、降水量が多いです。カナディアンロッキーのある山岳地帯では、冬は積雪が多く、夏でも雨が降ると寒くなります。サスカチュワンなどの平原地帯は、寒暖の差が激しく、トロント周辺は、夏は高温多湿で、冬は積雪も多くなります。五大湖一帯は四季が分かれており、東側では夏は涼しく、冬は比較的温暖です。イエローナイフなどの北部では、冬の気温がマイナス30度以下になることもあります。北極圏の極北地方は1年中寒さが厳しいです。
- 生ものによる食中毒や、汚染された食品などによるA型肝炎の報告もあります。また、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎も発生しています。特に、生の魚介類を食べる際には、食べる時期・場所等に注意しましょう。
- 蚊の多くなる4月中旬から10月まではウエストナイル熱に感染するリスクがあります。蚊に刺されないように虫除け対策をしてください。
- 主にカナダ西部(マニトバ州、サスカチュワン州、アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州)でハンタウイルス肺症候群の患者が報告されています。農村部へ滞在する場合は気をつけましょう。また、野外活動後に症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- ライム病の患者が報告されています。ライム病に感染するリスクが高いのは、病気を媒介するダニの生息が確認されているケベック州、オンタリオ州、マニトバ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、ブリティッシュコロンビア州です。特に、野外活動の活発な春から夏はダニに咬まれるリスクが高まりますので、ダニ咬まれないようにすることが大事です。
- 登山や標高の高い地域へ滞在する場合は、高山病への備えが必要です。
この国に関する新着情報
受けておきたい予防接種、持っていきたい薬
- 黄熱流行国から入国する際も、黄熱の国際予防接種証明書は必要ありません。
薬:普段服用している市販の薬、主治医より処方されている薬
- 高地では、高山病になる可能性もあります。とくに、低地からの急な移動に際しては注意が必要です。かかりつけ医と相談しておきましょう。
- 常備薬を携帯しましょう。現地でも薬は入手可能ですが、医師の処方箋が必要です。言語の問題もあり、また、自分の体に合うかどうかわかりません。飲み慣れたものを持参するのが安心です。また、薬がなくなった時に備えて、かかりつけの医師に英語の処方箋を書いてもらい持参しましょう。カナダでは、ショッピングセンターの中に薬局が入っているなど、容易に薬局を見つけることができます。また大都市には24時間営業の薬局があります。
医療情報
カナダの病院や医療サービスは水準が高く、適切な医療を受けることができます。多くの病院は公的に運営されており、医療制度は州によって異なります。カナダ在住ではない外国人渡航者の医療費は、カナダ国民とは別料金で、概して高額になります。病院の緊急窓口は24時間対応しており、多くの都市にあるウォークインクリニックは予約不要で利用できます。ケベック州の医療従事者は、フランス語を話すことがあります。米国での入院、医療、避難を必要とする重症の場合には、現金で高額な費用の支払いを求められることがあるようです。万が一のことを考え、旅行保険への加入を検討しましょう。
帰国後の過ごし方・注意点
病気は、感染してから症状が出るまでに時間を要します。これを潜伏期間と言います。滞在中数日経過してから、あるいは帰国後に症状が現れることがあります。
日本にはない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国時に心配な症状などある方は、検疫所の担当官にご相談ください。
平成24年8月30日更新