2012年08月16日更新 ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新5)

ウガンダ西部のキバレ(Kibaale)でエボラ出血熱が発生しています。

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって起こる病気で、死に至ることが多い病気です。ウイルスに感染した人の血液や体液からうつるほか、ウイルスに汚染されたものやウイルスに感染した動物に触れることでうつります。発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、のどの痛みなどの症状が出た後、下痢や嘔吐、胃の痛みなどの症状が起こります。皮膚の発疹、目の充血、からだのさまざまな部位からの出血が起こることもあります。ワクチンや特別な治療方法はありません。

2012年8月14日に公表されたWHOの情報によりますと、ウガンダ保健省は、キバレで発生したエボラ出血熱のアウトブレイクを制御するため、WHO、米国CDC、赤十字社、国境なき医師団(MSF)、ワールド・ビジョン、動物由来の新興感染症に対する早期警報システムを構築するためのプロジェクト(PREDICT)等の関係機関とともに対応しています。また、国と地域の対策本部は、このアウトブレイクへの対応を調整するために、連日、会議を開催しています。

これまでに、エボラ出血熱の確定患者と疑い患者が24人になり、そのうち16人が死亡したと報告しています。このうち、10人はエンテベ(Entebbe)にあるウガンダウイルス研究所で確定診断されています。最近、確定診断された患者は、8月4日にカガディ(Kagadi)病院の隔離病棟に入院した患者です。

疑い患者のうち、検査の結果が陰性であった人は疑い患者から除外され、対症療法を受け、回復後に退院しました。確定患者1人と疑い患者42人が隔離病棟から退院しました。この43人は、退院前に社会心理学的なチームによるカウンセリングを受けて、地域に戻りました。エボラウイルスが陰性であっても、患者が戻る地域での社会心理学的なカウンセリングは非常に重要です。カウンセリングによって、恐怖心を和らげ、汚名をそそぎ、患者は地域に受け入れられました。

エボラ出血熱の確定患者や疑い患者と接触のあった人々には、21日間の経過観察が行われています。また、他の地域で疑われた患者はすべて調査され、いずれもエボラウイルスは陰性でした。

キバレでは、確定患者と疑い患者の臨床管理について、保健省がMSFと連携を密に取って対応しています。

赤十字社のボランティアと村の保健チームで構成された社会的動員のチームは、キバレで最も影響を受けた地域のほとんどの村、家庭に到着しました。チームの活動は、情報や普及啓発資料の提供と、ラジオや映画での健康意識を高めるためのメッセージで強化されています。

<近隣諸国の対応>

ウガンダに隣接する各国は、エボラ出血熱の患者の発見と対応のため監視を強化しています。現時点では、確定患者が報告された国はありません。

WHOはウガンダへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。

ウガンダに渡航する方は、現地の情報に注意してください。手洗いなどの一般的な衛生対策を行ってください。また、感染した人の血液や体液、それらで汚染された可能性のあるもの、動物に触らないでください。

現地で、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診してください。また、帰国時に症状がある場合には検疫官にご相談ください。エボラ出血熱は感染してから発症するまでに3週間かかることもあります。帰国してから症状が出た場合には、医療機関または検疫所にご相談ください。

●感染症情報:エボラ出血熱

出典

WHO:Ebola in Uganda– update 14 August 2012
http://www.who.int/csr/don/2012_08_14/en/index.html

参考

FORTH 新着情報

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新4) 2012年8月13日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08131005.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新3) 2012年8月7日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08071133.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新2) 2012年8月6日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08061113.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています(更新1)2012年8月2日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/08020952.html

ウガンダでエボラ出血熱が発生しています 2012年7月30日
https://www.forth.go.jp/topics/2012/07301025.html