World Youth Day 2019 - 旅行者への情報[ECDC]

2019年1月22日から27日、カトリックの祭典ワールドユースデー(WYD)が中米パナマの首都パナマシティで開催され、全世界から50万人が参加する見込みです。この大規模なイベント期間中、最も一般的な健康上のリスクは、疾病の発生に適した気象条件の下で、昆虫媒介性疾患、消化器系の病気、そしてワクチンで予防可能な病気に関するものです。

epidemiological update 2018年12月14日

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2019年には、ワールドユースデー(WYD)が2019年1月22日から27日の間に中米パナマのパナマシティで開催され、50万人が参加する見込みです。 カトリック教会は、世界中の巡礼者、聖職者、修道女たちのための野外の集会及び宗教的な行進をもって2から3年毎にこの行事を企画しています。参加者の大半は15から35歳です。以前は、2016年にポーランドのクラクフ(Krakow)で350万人が、2013年にはブラジルのリオデジャネイロで370万人がワールドユースデーに参加しました。パナマでワールドユースデーにヨーロッパの人々がどのくらい参加するかを見積もるのは困難です。

大規模な集会イベント中、最も一般的な健康上のリスクは、好ましい気象条件の中でワクチンで予防可能な病気、消化器系の病気、そして昆虫媒介性疾患に関連しています。

パナマへの旅行の前に、ワールドユースデー参加者はすべてのワクチン接種が居住国の予防接種スケジュールに従って、特に少なくとも2回の麻しんを含むワクチン(通常MMR)、 おたふく風邪、風疹、ジフテリア、破傷風、百日咳およびポリオについて最新のものであることを確認する必要があります。A型肝炎と腸チフスに対する予防接種も考慮されるべきです。空気感染症(airborne diseases)のリスクがあるため、旅行者は季節性インフルエンザおよび髄膜炎菌ACWYワクチンに対する予防接種を検討することもできます。

ワールドユースデーの参加者は、特にトイレの使用後や食品を取り扱う前や食事の前に、よく手を洗い、よい手指衛生を実践することをお勧めします。 水が利用できない場合は消毒剤を使用する必要があります。消化器系の病気のリスクを避けるために、安全で煮沸されたもの、塩素消毒されたもの、またはボトル入りの水を飲む、徹底的に調理された食べ物を食べる、きれいな水で果物と野菜を慎重に洗うことをしてください。

蚊が媒介する病気を予防するために、パナマを訪れるすべての旅行者は、蚊忌避剤の使用、長袖のシャツと長ズボンの着用など蚊に刺されないように個別の保護手段を講じてください。夜間や昼間は部屋に寝るか、蚊帳を使用してください。これらの予防策は、黄熱、ジカウイルス感染症、デング熱、チクングニア熱、およびマラリアへの曝露のリスクを減らすために必要です。

パナマにおけるマラリアのリスクは、主に三日熱マラリア(Plasmodium vivax)であり、大西洋沿岸およびコスタリカとコロンビアの国境に位置する地域では、一年中マラリアのリスクがあります(リスク地域による予防の種類の詳細については、WHOの黄熱やマラリアなどを含む予防接種要件および海外旅行者への勧告参照)。パナマシティの場合、リスクは無視できると考えられています。

デング熱は、通常7月から12月の間に報告される季節的な増加とともに、パナマの主要な昆虫媒介性疾患であり続けています。2018年の疫学的状況に基づき、ジカウイルス感染症チクングニア熱の伝播は低いと考えられています(2018年の散発的な症例のみ)。黄熱の感染のリスクは、パナマの一部、特に農村部で見られます。黄熱の感染のリスクがある国および活発に黄熱の発生がある国から到着する場合は、入国時に黄熱予防接種が要求されます。黄熱の予防接種は、運河の西側、パナマシティ、運河沿いの地域、バルボア(パール諸島)、サンブラス諸島を訪れる旅行者にはお勧めしません。

パナマの狂犬病は、コウモリを含む家畜や野生動物で報告されています。 ほとんどの旅行者にとって狂犬病のリスクは低いと考えられていますが、旅行者は動物との接触を避けるべきです。暴露した場合は、できるだけ早く治療を受けなければなりません。必要に応じて、治療は局所的な創傷治療、予防接種および免疫グロブリンによる受動免疫からなります。

2018年にロスサントス州ではハンタウイルス(Choclo virus)の症例数が増加したと報告されています。リスクはワールドユースデーの参加者にとっては低いと考えられていますが、野外活動、例えばキャンプやハイキングなどは暴露のリスクを高めます。

淋病、梅毒、HIV、B型肝炎C型肝炎などの性感染症を避けるために、安全な性行為とコンドームの使用を促進する必要があります。安全な性に関するより多くの情報はここから利用可能です。

帰宅時に病気になった場合は、巡礼者はパナマでの滞在を医師に報告する必要があります。 最近の医療関連感染の可能性の確認を遅らせることがないように、パナマでの入院後にEUでの入院を必要とする旅行者は、以前の滞在を報告する必要があります。

ECDCは、2019年1月14日から2月3日までの間の定期的な流行情報活動を通じて事象を綿密に監視し、毎週報告します。

ヨーロッパにおける感染病の脅威に関する最新のニュースは、ECDCのWebサイトまたはECDC Threat Reports appを通じて入手できます。

出典