食品別の規格基準(食鳥卵)
ここでいう食鳥卵とは、鶏の卵又は液卵のことをいいます。
食鳥卵の規格基準は、以下のとおりです。
1 成分規格
(1)殺菌液卵(鶏の液卵を殺菌したものをいう。)
項 目 |
規 格 |
サルモネラ属菌 |
陰性(検体25 gにつき) |
(2)未殺菌液卵(殺菌液卵以外の鶏の液卵をいう。)
項 目 |
規 格 |
細菌数 |
1,000,000 以下/g |
2 食鳥卵(鶏の液卵に限る。)の製造基準
(1)一般基準
鶏の液卵は、次の基準に適合する方法で製造しなければならない。
1.製造に使用する鶏の殻付き卵(以下「原料卵」という。)は、食用不適卵であってはならない。
2.原料卵は、正常卵、汚卵並びに軟卵及び破卵に選別された状態で取り扱わなければならない。
(2)個別基準
1.殺菌液卵
殺菌液卵は、次の基準に適合する方法で製造しなければならない。
a 製造に使用する汚卵、軟卵及び破卵は、搬入後24時間以内(8°以下で保存する場合にあっては、72時間以内)に割卵し、加熱殺菌しなければならない。
b 製造に使用する正常卵を搬入後3日以上保存する場合は、8°以下で保存し、できるだけ速やかに割卵しなければならない。
c 製造に使用する汚卵は、洗浄するとともに、150ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液により殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌しなければならない。
d 原料卵を洗浄する場合は、汚卵と区別して、割卵の直前に流水(食品製造用水に限る。)で行わなければならない。
e 割卵から充てんまでの工程は、一貫して行わなければならない。
f 割卵には、清潔で洗浄及び殺菌の容易な器具を用いなければならない。
g 機械を用いて割卵する場合は、遠心分離方式及び圧搾方式で行ってはならない。
h 割卵に用いる設備(卵殻のろ過を行う場合にあっては、ろ過に用いる設備を含む。)は、作業終了後及び作業中に定期的に清掃し、及び殺菌しなければならない。
i 誤って食用不適卵を割卵した場合は、直ちに、当該食用不適卵が混入した鶏の液卵を廃棄するとともに、割卵に用いた器具を洗浄し、及び殺菌しなければならない。
j 殺菌前の鶏の液卵は、割卵後速やかに冷却装置のある貯蔵タンクへ移し、8°以下に冷却しなければならない。ただし、割卵後直ちに殺菌する場合にあっては、この限りでない。
k 殺菌前の鶏の液卵を8時間以上貯蔵する場合は、割卵後速やかに5°以下に冷却しなければならない。
l 鶏の液卵は、次に掲げる方法又はこれらと同等以上の殺菌効果を有する方法で加熱殺菌しなければならない。
① 鶏の液卵(加糖し、又は加塩したものを除く。②において同じ。)を連続式により加熱殺菌する場合にあっては、次の表の第1欄に掲げる種類の区分に応じ、同表の第2欄に掲げる温度により、3分30秒間以上加熱殺菌すること。
第1欄 |
第2欄 |
全 卵 |
60° |
卵 黄 |
61° |
卵 白 |
56° |
② 鶏の液卵をバッチ式により加熱殺菌する場合にあっては、次の表の第1欄に掲げる種類の区分に応じ、同表の第2欄に掲げる温度により、10分間以上加熱殺菌すること。
第1欄 |
第2欄 |
全 卵 |
58° |
卵 黄 |
59° |
卵 白 |
54° |
③ 加糖し、又は加塩した鶏の液卵を加熱殺菌する場合にあっては、次の表の第1欄に掲げる種類の区分に応じ、同表の第2欄に掲げる温度により、3分30秒間以上連続式により、加熱殺菌すること。
第1欄 |
第2欄 |
卵黄に10%加塩したもの |
63.5° |
卵黄に10%加糖したもの |
63.0° |
卵黄に20%加糖したもの |
65.0° |
卵黄に30%加糖したもの |
68.0° |
全卵に20%加糖したもの |
64.0° |
m 鶏の液卵は、加熱殺菌後直ちに8°以下に冷却しなければならない。
n 冷却後、鶏の液卵を容器包装に充てんする場合は、微生物汚染が起こらない方法により、殺菌した容器包装に充てんし、直ちに密封しなければならない。
2.未殺菌液卵
未殺菌液卵は、次の基準に適合する方法で製造しなければならない。
a 製造に使用する汚卵、軟卵及び破卵は、搬入後速やかに割卵しなければならない。
b 製造に使用する正常卵を搬入後3日以上保存する場合は、8°以下で保存し、できるだけ速やかに割卵しなければならない。
c 製造に使用する汚卵は、洗浄するとともに、150ppm以上の次亜塩素酸ナトリウム溶液により殺菌するか、又はこれと同等以上の殺菌効果を有する方法で殺菌しなければならない。
d 原料卵を洗浄する場合は、汚卵と区別して、割卵の直前に流水(食品製造用水に限る。)で行わなければならない。
e 割卵から充てんまでの工程に用いる設備は、作業の前後及び1ロットの原料卵を処理するごとに、又は作業中に定期的に清掃し、殺菌しなければならない。
f 割卵には、清潔で洗浄及び殺菌の容易な器具を用いなければならない。
g 機械を用いて割卵する場合は、遠心分離方式及び圧搾方式で行ってはならない。
h 誤って食用不適卵を割卵した場合は、直ちに、当該食用不適卵が混入した鶏の液卵を廃棄するとともに、割卵に用いた器具を洗浄し、及び殺菌しなければならない。
i 割卵から充てんまでの工程で、鶏の液卵の温度が上昇しないように適切に温度管理を行わなければならない。
j 鶏の液卵は、割卵後速やかに8°以下に冷却しなければならない。
k 冷却後、鶏の液卵を容器包装に充てんする場合は、微生物汚染が起こらない方法により、殺菌した容器包装に充てんし、直ちに密封しなければならない。
3 食鳥卵(鶏の液卵に限る。)の保存基準
(1)鶏の液卵は、8°以下(鶏の液卵を冷凍したものにあっては、-15°以下)で保存しなければならない。
(2)製品の運搬に使用する器具は、洗浄し、殺菌し、及び乾燥したものでなければならない。
(3)製品の運搬に使用するタンクは、ステンレス製のものであり、かつ、定置洗浄装置により洗浄し、及び殺菌する方法又はこれと同等以上の効果を有する方法で洗浄し、及び殺菌したものでなければならない。
4 食鳥卵(鶏の殻付き卵に限る。)の使用基準
鶏の殻付き卵を加熱殺菌せずに飲食に供する場合にあっては、賞味期限を経過していない生食用の正常卵を使用しなければならない。
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