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地域別情報:中央アジア諸国

カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タジキスタン、キルギス

気候と気をつけたい病気

  • 中央アジア諸国はユーラシア大陸の中央部にあり、西部の砂漠地帯から東北部などの山岳地帯まで、地形が様々で気候も大きく異なります。昼夜の気温差が大きく、その差が20度を超えるところもあります。また、降水量は少なく乾燥しています。
    トルクメニスタンの国土の大部分はカラクム砂漠で、カザフスタンの北部はカザフステップと呼ばれる草原地帯があります。標高が高い地域の大都市以外では4月頃まで雪が残ることがあります。タジキスタンのパミール高原では冬は峠の積雪や凍結のため、通行できなくなります。
  • 一部の地域では、老朽化した水道管から鉄さびが混入したり、破裂した水道管から雨水や地下水などが入り込んだりして、水質はよくないようです。タジキスタンでは水道の設備が十分に整っておらず、飲用には適していません。飲用には市販のミネラルウォーターか浄水器を通した水道水を煮沸しましょう。
  • 生野菜、十分火の通っていない肉、半熟卵や生卵、乳製品を介して感染性胃腸炎にかかるリスクがあり、サルモネラ感染症カンピロバクター感染症細菌性赤痢などは、一年を通して注意が必要です。春から夏にかけて、細菌性の食中毒、腸チフス、パラチフスが発生し、冬はノロウイルス感染症が発生します。また、A型肝炎回虫症ジアルジア症アメーバ赤痢ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)なども報告されています。
    羊や牛肉の串焼き肉などを食べる場合は、寄生虫がいることもありますので、中心まで十分に火が通っているか確認しましょう。また、しばしば停電になりますので、冷蔵庫・冷凍庫で食料を保存する際は気をつけましょう。
  • 中央アジアの山岳部では炭疽菌に感染した動物の肉や毛皮を介して炭疽(たんそ)が発生しています。生肉を取り扱ったり摂取したりするほか、毛皮を取り扱う場合は注意が必要です。
  • ブルセラ症は中央アジアに多い感染症で、牛、山羊、羊、豚、犬及び人に感染します。これらの動物と接触したり、非加工乳製品を摂取したりすることでうつりますので、注意が必要です。
  • エキノコッカス症が風土病としてあります。犬や野生動物の排泄物や河川の水から人に経口感染します。
  • 蚊によってうつるマラリアはウズベキスタン、タジキスタン、キルギスで三日熱マラリアのリスクが6月から10月にかけてあります。ウズベキスタンではアフガニスタン、キルギス、タジキスタンと国境を接する南部、東部の一部の地域、タジキスタンでは特に南部、中央、西部、北部の地域、キルギスでは南部と西部で、特にタジキスタンとウズベキスタンと国境を接する地域とビシュケクのはずれにリスクがあります。
  • フェルガナ盆地(ウズベキスタン東部からキルギス、タジキスタンに広がる地域)では、 蚊よりも小さなサシチョウバエが媒介するリーシュマニア症が報告されています。
  • 山岳地帯に限らず、カザフスタンではアルマティ近郊、キルギスではビシュケク近郊でも吸血性マダニが成育しており、毎年ダニ媒介脳炎の患者が報告されています。ゴルフやハイキングなどで山に行く場合や森林部に入る場合には、ダニに咬まれないように肌の露出は避けましょう。
    また、ダニに咬まれたり、発症した家畜などの血液に接触したりすることで、クリミア・コンゴ出血熱に感染するリスクがあります。ダニ媒介脳炎と異なり、山間部よりカザフスタンのクズィルオルダ州などのカザフステップ地域で多く発生しています。この地域に行かれる方は、ダニに咬まれないように、肌の露出は避け、非衛生的なバザールの食肉売り場などには近づかないようにしましょう。
  • 流行性髄膜炎は中近東やアフリカに多い疾患ですが、中央アジアでもしばしば流行します。
  • 野犬が多く、咬まれる事例や狂犬病患者が発生しています。動物に手を出したり、近寄ったりしないようにしましょう。
  • 山岳地域では高山病のリスクがあります。

この国に関する新着情報

受けておきたい予防接種、持っていきたい薬

予防接種:A型肝炎B型肝炎破傷風、(狂犬病*1

  • *1:犬や野生動物との接触が予想される場合は推奨
  • カザフスタン、キルギスでは、黄熱流行国から入国する際は、黄熱の国際予防接種証明書が必要です(キルギスではトランジットの場合も含みます)。

薬:普段服用している市販の薬、主治医より処方されている薬

  • タジキスタンでは抗マラリア薬に耐性を持つマラリアもありますので、リスクのある地域へ行く場合にはマラリア予防薬について医師と相談しましょう。
  • パミール高原などの山岳地帯では、高山病になる可能性もあります。特に、低地から、急に高地に移動するのは危険です。かかりつけ医や専門の医師と相談しておきましょう。
  • 常備薬を携帯しましょう。入手できる医薬品は限られ、偽薬が横行している場合もあります。他の国から輸入された薬が多く、日本では使用されていない成分が入っていることや、有効成分の含有量が多いこともあります。飲み慣れたものを持参するのが安心です。
  • 中央アジアの多くの国では、スポーツ飲料などは入手困難であるようです。念のために粉末製品を持参した方が安心です。

医療情報

多くの病院の建物や医療設備は老朽化しており、医師・医療器材・医薬品などの医療資源全般において常に不足しています。病院は整備されないまま使用されているところもあり、一般に提供される医療サービスの質は先進国と比較してかなり低いです。ほとんどの医師は英語が話せないため、外国人の病院受診は容易ではありません。万が一のことを考え、旅行保険への加入を検討しましょう。

帰国後の過ごし方・注意点

病気は、感染してから症状が出るまでに時間を要します。これを潜伏期間と言います。滞在中数日経過してから、あるいは帰国後に症状が現れることがあります。
日本にはない病気を検査、診断、治療できる機関は限られています。帰国時に心配な症状などある方は、検疫所の担当官にご相談ください。

平成24年7月20日更新