知っておきたいこと

この虫に注意!

この虫に注意!虫(昆虫をふくむ節足動物)には、病原体(ウイルス・細菌・寄生虫など)を運んで、人に病気をうつすものがあります。このような虫はベクターとも呼ばれます。
この中には、体の表面に病原体を付着させて運ぶだけのもの(ハエなど)と体の中に病原体を取り込んで増やしたり、育てたりして人に感染させやすくするもの(蚊やダニなど)がいます。これらの虫は、外国、特に発展途上国ではふつうにいる『虫』としてみられ、年間数千人から数百万人規模の病気の流行を引き起こしています。
病気になって楽しいはずの旅行がだいなしにならないためにも、予防は不可欠です。虫除け対策をしっかりしましょう。
虫によってうつる病気と、それをうつす『虫』についてはこちらをご参照ください。
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(1)蚊によってうつる病気
黄熱 ネッタイシマカ

症状
発熱、頭痛、筋肉痛、悪心、嘔吐、出血、タンパク尿、黄疸など
潜伏期間
3~6日
分布
アンゴラ、カメルーン、ガンビア、ギニア、マリ、ケニア、ナイジェリア、スーダン、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、ペルー
予防法
予防接種 虫除け剤の使用、服装の注意(日中に活動する蚊です)
ネッタイシマカ
ネッタイシマカ
マラリア ハマダラカ

症状
悪寒、発熱、嘔吐、頭痛、筋肉痛など マラリアの種類によって発熱間隔が異なる
潜伏期間
種類によって異なり、6~30日前後
分布
アジア地域は山岳部や農村部
アフリカ地域は都市部でも
南アメリカ地域は平野部と森林地帯が主
予防法
蚊取り線香、虫除け剤の使用、服装の注意 予防薬の服用
ハマダラカ
ハマダラカ
デング熱 ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ

症状
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹
潜伏期間
2~15日、通常、2~7日
分布
熱帯・亜熱帯アジア全域、西アフリカ、北オーストラリア、ミクロネシア、ポリネシア、カリブ海諸国、中南米など広く
予防法
虫除け剤の使用、服装の注意
ヒトスジシマカ
ヒトスジシマカ
バンクロフト糸状虫症(リンパ性フィラリア症) ネッタイイエカ、アカイエカ、シナハマダラカ、トウゴウヤブカ

症状
リンパ腺炎、リンパ管炎、発熱
潜伏期間
非常に長く、平均9か月
分布
アジア、アフリカ、南アメリカ地域に広く
予防法
虫除け剤の使用、服装の注意
アカイエカ
アカイエカ
マレー糸状虫症(リンパ性フィラリア症) ヌマカ、ヤブカ、ハマダラカ

症状
手足のむくみ、リンパ管炎、リンパ節の痛み、悪寒、発熱
潜伏期間
6か月から1年
分布
熱帯・亜熱帯のアジア地域に広く(東南アジア全域、インド、スリランカ、バングラデシュ)
予防法
虫除け剤の使用、服装の注意
 
(2)ハエ、その他の昆虫によってうつる病気
内臓リーシュマニア症(カラアザール) サシチョウバエ

症状
発熱、肝臓の障害、脾臓のはれ、重症になると全身衰弱から死亡
潜伏期間
数週間から数か月と長期間
分布
アジア:中国南部、インド、バングラデシュ
アフリカ:ガボン、ナイジェリア、シエラレオネ、サウジアラビア、スーダン、ケニア、モロッコ、アルジェリア、チャド
南米:ブラジル北東部沿岸、アルゼンチン中央部
予防法
サシチョウバエに吸血されないように虫除け剤の使用、服装の注意
サシチョウバエ
サシチョウバエ
皮膚リーシュマニア症 サシチョウバエ

症状
吸血された部分の腫れ、腫瘍、壊死
潜伏期間
数週間から数か月と長期間にわたる
分布
アジア:インド西部、中近東の一部地域
アフリカ:エジプトなどの地中海沿岸、ケニア、ナイジェリア、ガーナ、ギニアなど
南米:メキシコ、グアテマラからアマゾン流域
予防法
サシチョウバエに吸血されないように虫除け剤の使用、服装に注意
 
粘膜皮膚リーシュマニア症 サシチョウバエ

症状
皮膚症状から始まり、鼻、口の周辺に拡大、鼻中隔、口唇、口蓋が欠損
潜伏期間
数週間から数か月と長期間
分布
中南米:ブラジル、アルゼンチン、ペルー、エクアドル、ボリビア、ベネズエラ、パラグアイ、コロンビア、ギアナ、パナマなどの森林地帯とその周辺部
予防法
サシチョウバエに吸血されないように虫除け剤の使用、服装に注意
 
アメリカトリパノソーマ症(シャーガス病) サシガメ(カメムシの一種)

症状
急性期:発熱、頭痛、疲労感
慢性期:肝臓や心臓の障害
潜伏期間
1~3週間
分布
中南米全般、特にブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ
予防法
サシガメに吸血されないように虫除け剤の使用、服装の注意
ブラジルサシガメ
ブラジルサシガメ
アフリカトリパノソーマ症(アフリカ眠り病) ツェツェバエ

症状
急性期:発熱、頭痛、発疹、リンパ節のはれ
慢性期:意識混濁、睡眠状態を起こし死亡
潜伏期間
2~3週間、時には1ヶ月以上
分布
アフリカ大陸 赤道から南北緯20度の範囲
予防法
ツェツェバエに吸血されないように虫除け剤の使用、服装に注意
ツェツェバエ
ツェツェバエ
オンコセルカ症 ブユ(小型で2~4mm位)

症状
皮膚に痛みのないコブ、かゆみのある皮膚炎 目に角膜炎や視力障害
潜伏期間
おおよそ1年
分布
アフリカ:赤道から南北緯25度の範囲
中南米:メキシコ南部、グアテマラ、コロンビア、ベネズエラ
予防法
ブユに刺されないように虫除け剤の使用、服装に注意
ブユ
ブユ
ロア糸状虫症 アブ(大型で5~10mm位)

症状
虫が皮膚に移動するとはれ、目に移動すると痛みやはれがでる
潜伏期間
不定
分布
中央・西アフリカ、特にコンゴ民主共和国(旧ザイール)、コンゴ共和国、アンゴラ、ガボン、中央アフリカに多い
予防法
アブに刺されないように虫除け剤の使用、服装に注意
アブ
アブ
(3)ノミによってうつる病気
ペスト ケオプスネズミノミ

症状
リンパ腺炎、皮膚の出血斑、発熱、意識障害、肺炎(肺ペスト)
潜伏期間
2~6日
分布
ベトナム、タンザニア、マダガスカル、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、ブラジル、ペルー
予防法
ノミに刺されないようにすること
ケオプスネズミノミ
ケオプスネズミノミ
発疹熱 ネズミノミ

症状
発熱、頭痛、発疹
潜伏期間
6~15日、通常12日ぐらい
分布
全世界、衛生状態の悪い地域に多い
予防法
ネズミが多い地域ではノミに刺されないようにすること
 
(4)ダニによってうつる病気
ダニ媒介性脳炎 ダニ

症状
頭痛、発熱、悪心、嘔吐、昏睡、痙攣、麻痺が起こり死亡することも
潜伏期間
8~14日
分布
ロシア、東欧諸国、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ドイツ
予防法
流行する森林地帯などに行く人は虫除け剤の使用、ダニに咬まれない服装をすること
 
ライム病 マダニ

症状
皮膚に赤い斑点、頭痛、発熱、悪寒、全身倦怠感、髄膜炎、関節炎など
潜伏期間
数日~数週間
分布
北米およびヨーロッパ全域の森林地帯
予防法
流行する森林地帯などに行く人は虫除け剤の使用、ダニに咬まれない服装をすること
マダニ
マダニ
クリミア・コンゴ出血熱 マダニ

症状
発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感、意識混濁、出血など
潜伏期間
1~3日
分布
カザフスタン、ウズベキスタン、ユーゴスラビア、ブルガリアなどの草原地帯, 熱帯アフリカ、南部アフリカの一部の地域
予防法
流行する森林地帯などに行く人は虫除け剤の使用、ダニに咬まれない服装をすること
 
ツツガムシ病 ツツガムシ

症状
初めは刺された部分が赤く腫れ、その後かさぶた化 さらに発熱、頭痛、悪寒、発疹が出現
潜伏期間
8~11日
分布
アジア全域、北オーストラリア の草原地帯
予防法
流行する森林地帯などに行く人は虫除け剤の使用、ツツガムシに咬まれない服装をすること
ツツガムシ
ツツガムシ
ロッキー山紅斑熱 マダニ

症状
頭痛、悪寒、筋肉痛、発熱、発疹
潜伏期間
3~14日
分布
アメリカ東南部、カナダ
予防法
流行する森林地帯などに行く人は虫除け剤の使用、ダニに咬まれない服装をすること
 
(5)シラミによってうつる病気
発疹チフス コロモジラミ

症状
頭痛、悪寒、発熱、全身の疼痛がある全身の発疹が現れる
潜伏期間
6~15日 通常12日
分布
全世界に分布 衛生状態の悪い地域で多い
予防法
衛生状態の悪い場所ではシラミに咬まれない服装をすること
コロモジラミ
コロモジラミ